自社のホームページを運用する際、商品・サービスのターゲットに沿った訴求力と、関心を持ってアクセスしてきたユーザーを確実に得られる集客力が重要です。さらにユーザーがメリットを得られるような質の高い情報提供も必要となります。

自社のホームページを効果的に運用するには、どのようなことに着目するとよいのでしょうか。今回は、集客できるホームページを制作する際のコツや、ホームページで失敗しやすいポイントもあわせて紹介します。

集客に必要なホームページの項目

集客を得るためには、ターゲット層にマッチしたユーザーが関心を持ってアクセスしてくれるホームページであることが前提です。集客を得られるホームページとして最低限必要な項目を説明します。

会社紹介

相手の素性がわからなければ、今後もやりとりを続けるかを迷ってしまうのは、個人も会社も同様にいえることです。会社紹介を掲載する役割は、会社の在り方を明確にすることで、信用して取引できる会社であると認識してもらうことにあります。会社の在り方を明確にするには、会社としてどのような理念をもち、どのような取り組みを行っているかなどの企業理念を記載しましょう。

企業理念以外にも会社概要や沿革、取引先企業などをわかりやすく明記し、ユーザーにわかりやすくアピールできるようにまとめるとよいでしょう。

資料請求や問い合わせの受付

自社の商品・サービスに対してユーザーが問い合わせや資料請求を行いたい際に、問い合わせ先がわからなければユーザーはアクセスをやめてしまい、せっかくの見込み客を逃してしまうことになります。

ホームページを初めて訪れたユーザーでもわかりやすく、問い合わせ先を明確にし、問い合わせフォームを設けるなど、円滑に問い合わせができるページ構成が大切です。

商品の販売ページ

自社で商品を販売している場合は、自社のホームページ以外でオンラインショップを開設することで新たな販路となり、新規顧客への販売促進につながる見込みがあります。

扱う商品の種類が少ない場合などは、オンラインショップを開設せずに、ホームページの中にショップのページを設けて販売することも可能です。

しかし、Web上で商品販売を行うということは、商品企画や顧客管理、システム保守など独自の業務が存在します。扱う商品が多い場合などで販売を始めるのであれば、業務が煩雑にならないためにも自社のホームページとオンラインショップは分けて開設し運営するのがおすすめです。

店舗の詳細ページ

実店舗を持っている企業の場合、ホームページに店舗の情報を掲載することで、商圏内のユーザーの関心を得られやすくなります。店舗の住所やアクセス方法、営業時間をはじめ、問い合わせ先の電話番号などを掲載し、店舗に関心のあるユーザーが気軽に利用できるように備えておくことが重要です。

さらに、店舗や商品を画像で紹介したり、利用可能な決済方法など具体的に説明したりすることで、ユーザー側が来店時のイメージを膨らませやすくなり、丁寧なサイトであるという印象を受けるでしょう。

集客力のあるホームページを作るコツ

集客力のあるホームページに必要な項目がわかったら、次に制作時のコツにはどのようなものがあるか説明していきます。

ペルソナとゴールを明確に設定する

ペルソナとは、ターゲットの内容をより具体化させたものを指します。例えば、「30〜40代の夫婦」をターゲットとするなら、ペルソナとして「30〜40代の夫婦」をさらにストーリー展開させるイメージで設定していきます。

具体的には、居住地域、子供の有無、年収、趣味、職業、マネープランなど、ターゲットがどのような生活をしているかを詳細に挙げていきましょう。具体化することで、ユーザーに響くホームページのイメージが膨らみやすくなります。

わかりやすいデザインやシンプルな導線を重視する

どのようなユーザーがどの端末を用いても簡単に目的の情報へアクセスできるように、ホームページのデザインや導線をわかりやすくすることが重要です。レイアウトやフォント、使用している画像などが伝わりやすいものであることが当てはまります。

また、ユーザーにとって資料請求できることが目的であるにもかかわらず、問い合わせフォームに何項目ものアンケートの記載が必要であったり、複数のページに誘導されたりなど、目的がなかなか完了しないような構成では、ユーザーは資料請求をあきらめてしまうかもしれません。ユーザー目線に立って、ユーザーが利用しやすい導線を重視するとよいでしょう。

ペルソナを設定すると共に、ホームページを通じて会社や商品の認知をしたいのか、または商品の販売に繋げたいのかなど、ホームページのゴールもあわせて設定しましょう。

レスポンシブデザインを採用する

近頃はホームページの閲覧にスマートフォンを利用するユーザーが増えています。そのため、パソコンやタブレット、スマートフォンなどユーザーの端末画面にあわせて表示できるレスポンシブデザインを用いることが、ユーザーが効率よく目的にたどりつける配慮といえるでしょう。

また、スマートフォンは表示画面が小さいため、パソコンでの表示を意識した文字数では読みにくいことがあります。文字量を少なくしたり、文章ごとに行間を多めに取ったりするなど、スマートフォンユーザーを意識した文章構成も必要です。

独自ドメインを取得する

ドメインとは、「www.」の後ろに続くインターネットの住所のようなもので、「co.jp」「or.jp」「.eu」などの国別や分野を表します。

無料のブログサービスや低価格のホームページ作成ツールを利用していると、さらにそれらのサービス名が加わった状態でドメインが付与されることがあります。独自ドメインにすると、サービス名がつかない状態の自社だけの独自の住所となり、申請することで取得が可能です。

自社のホームページが独自ドメインで作成されていると、ユーザーや他社からの信頼度が高まる要素になるだけでなく、独自ドメインを覚えてもらうことで自社そのものの売り込みにもつながるので、独自ドメイン取得は非常に有効です。ただし、独自ドメイン取得には費用がかかり、管理の手間もあるため、必要かどうか検討してみるとよいでしょう。

SEO対策を施す

SEOとは「Search Engine Optimization」の略で検索エンジン最適化を意味します。検索エンジン最適化とは、ユーザーが検索をした際に検索結果の上位に自社のホームページが表示されやすくなるように対策を施すことです。

SEO対策にはさまざまなものが挙げられます。例えば、ページが表示されるまでの速度を上げることもSEO対策の一つです。検索結果を経由してホームページにアクセスした時、表示までに非常に時間がかかり、目的のページにたどりつけないほど複雑なページ階層であればユーザーは離れてしまいます。あくまでもさまざまな端末からでも同様に閲覧できる、ユーザーが使いやすいページであることが重要でしょう。

何が有効なSEO対策であるかを知るには分析などの専門知識が必要となるので、プロに任せてしまうのも有効な手段といえます。

ユーザーの疑問や不安への回答を提示する

ユーザーがホームページを訪問する時は、自社の商品・サービスの情報を入手したくてアクセスを試みます。例えば自社商品が化粧品である場合は、価格や特徴以外にも、その商品の添加物は何が用いられているか、その化粧品を使うことでどのようなメリットを得られるか、などより具体的な内容がホームページで入手できると期待しているのです。

そのため、ユーザーの疑問や不安を一度の訪問で解消できるように、「よくある質問」のページや、より具体的な成分表示やメリットを説明したページを設定すると親切なホーム

ページになります。さらにその商品・サービスへのこだわりやスタッフおすすめの活用法など多くの情報を加えることで、より一層の好印象につながるでしょう。

集客で失敗するホームページの特徴

なかなかアクセス数が伸びず、集客に結びつかないホームページには、共通の特徴が見られます。以下を元に自社のホームページが当てはまっていないか検証してみましょう。

コンテンツの量が少ない

コンテンツの量が少ないと、自社や商品・サービスの魅力は充分に伝わりません。さらに欲しい情報が見当たらないホームページだとわかると、そのままユーザーは離れてしまいます。

情報の更新や情報の質の改善はこまめに行うことがポイントです。資料請求や商品の購入などといった、アクセスした目的に到達してもらうために、最低限必要な情報は量だけでなく質にもこだわりながら掲載しておきましょう

定期的な更新ができていない

何かのホームページにアクセスしたときに、最終更新日が何年も前のままだったという経験がある方もいるのではないでしょうか。ホームページは最初の作成時よりも、更新し続けることの方が難しいといわれています。

何年も前の情報で止まったままのホームページでは、会社が存在しているのか、商品を購入できるのか、問い合わせ時の個人情報は守られるのか、ユーザーはあらゆる不安を抱き、そのまま離脱してしまうことも考えられます。

自社で更新を行っているのであれば定期的な更新を心がけ、業者への依頼を検討しているのであれば更新頻度や更新依頼からアップまでの流れなども確認しておくとよいでしょう。

アクセス解析をもとにしたサイト改善をしていない

どのページにどのくらいのアクセス数があり、どこから訪問してきたかというようなアクセス解析は、ホームページ改善に多いに役立ちます。評価や改善を繰り返していかなければ、ユーザーのニーズに沿ったホームページであり続けることは困難といえます。ホームページを完成させて目的達成とせずに、常に有効なホームページであるための改善は意識して行いましょう。

無料でできる集客の施策

集客を目指すには宣伝広告が挙げられますが、手間と費用がかかります。自社のホームページの中で気軽に行える施策にはどのようなものがあるでしょうか。

プレスリリース

プレスリリースとは報道機関向けの自社に関する告知のことです。プレスリリース専門の配信サービスもありますが、無料で手軽に行うには、自社のホームページに掲載してみるとよいでしょう。

ホームページに発表することで、告知に気づいたメディアから取り上げられることもあります。ただし、告知が必ずメディアに取り上げられるということはないので、目に止まるような話題性のある題材で試してみるとよいでしょう。

サイト内のコンテンツを増やす

ユーザーが有効な情報を得られるホームページであるためには、何より情報が豊富であるということが重要です。化粧品販売を行っている会社のホームページであれば、取り扱い

商品に関連づけた情報をコラムとして発信するとよいでしょう。

例えば「にきび」「エイジングケア」など具体的な肌の悩みをキーワードとしてコラム記事を掲載すれば、そのキーワードで偶然検索したユーザーが訪問してくる可能性も見込めます。キーワードを設定する際には、キーワード選定のためのツールを利用して決定するのがおすすめです。

SNS運用

SNSが情報入手手段として多く利用されている現在では、SNSを活用するのは大いに有効といえます。自社のアカウントを作成して、自社の商品・サービスについての情報や社内の日常を画像とともに発信し、認知度アップを図りましょう。

ホームページと並行して運用する必要はありますが、広く情報を発信する手段としてだけでなく、ホームページに誘導する手段としても活用してみるとよいでしょう。

有料でできる集客の施策

確実に集客を得たい、コストをある程度かけられるという場合は、Web上でさまざまな広告宣伝手段を活用するとさらに確実です。即効性があるものや特定のターゲット向けなど目的に見合う広告手段を紹介します。

リスティング広告

リスティング広告とは、検索エンジンの結果ページの上位に表示される広告を指し、上位に表示されることで多くのユーザーの目に留まる見込みがあります。

Google広告やyahoo!広告などの配信サービスによっては審査が通ればすぐに掲載することができるので、すぐに配信して多くの人に告知したいという場合にはとても有効な手段です。

また、キーワードを入れて検索した結果に表示されるので、ターゲットと合致したユーザーを獲得できる期待も持てます。

SNS広告

X(旧Twitter)やFacebook、LINEなどのSNSは、それぞれのSNSごとにユーザーの年齢層がはっきりと異なるため、年齢層にあわせた広告展開ができます。

X(旧Twitter)は10〜20代という利用が多い一方で、Facebookは10代の利用が少なく40〜50代も利用しているということを考慮しながら、自社の商品・サービスのターゲット層にあわせたSNSだけを活用できます。SNSごとに異なる広告展開を行うなど、さまざまな活用方法が考えられるでしょう。

ディスプレイ広告

ディスプレイ広告は、画像やテキストで作成したバナーをホームページ上やアプリ上で広告として掲載するものです。テキスト表示だけの広告手法と異なり、視覚的な訴求をできるのがディスプレイ広告の強みといえます。

Googleやyahoo!で提携しているディスプレイ広告には、ニュース系サイトやグルメ検索サイトなどさまざまな種類の媒体があり、商品・サービスの購入を目的とする以外にも、ブランディングや商品告知として活用できます。

また、幅広いユーザーに周知できる一方で、ユーザーの年齢や利用時間帯などのターゲット設定や、一度ホームページを訪れたユーザーに対して再度広告表示をすることもできるなど、多彩な方法で広告展開することが魅力といえるでしょう。

まとめ

今回は、集客力のあるホームページを制作するポイントについて紹介しました。

数多くのユーザーを獲得するかだけではなく、いかにユーザーに対して質の高い情報を定期的に発信できるかという自社の情報発信力を理解することも重要な要素です。

また、ホームページに最低限必要な項目の一つである会社紹介は、会社の理念や取り組みを知ることができユーザーの信用につながります。さらにどのような広告手段が自社の方針に適しているかを検討することで、ピンポイントの訴求が可能となります。さまざまな検討と改善を繰り返しながら、着実に集客につながるホームページ作成を目指してみてはいかがでしょうか。

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