チラシ集客はお客様の来店や購買に対する意欲を高める効果を期待でき、現在でもさまざまな業種や業態で取り組まれています。しかし、ただ何となくやってみただけでは望んでいる効果は得られないかもしれません。効果的なチラシを作るにはチラシの特徴や受け取られ方、作り方のコツなどをおさえておく必要があります。

そこで本記事では、チラシ集客のメリットやデメリット、作成時のコツなどについて詳しく解説します。

チラシ集客のメリット

インターネットが普及する現代においても、チラシによる集客効果は十分に期待できます。チラシ集客でのメリットには次の2つが挙げられます。

チラシ集客のメリット
  • 地域を絞って届けることができる
  • 紙媒体に親しみのある層にも届く

チラシの特性を理解するためにも詳しい内容をみていきましょう。

地域を絞って届けることができる

チラシは地域を絞って情報を届けられるため、特定地域に集中した認知活動が行えます。そのため、地域密着型の店舗や路面店などの近隣に住む方をターゲットとした集客施策として有効な方法の1つです。

配布方法には新聞折込やポスティングなどがあり、いずれも狙った地域に情報を発信できる効果的な販促方法といえます。また、ターゲットの手元に直接届くチラシは即効性が高く、届いた日からすぐ消費行動につながるケースも少なくありません。

紙媒体に親しみのある層にも届く

インターネットやスマホが普及する中でも、紙媒体に親しみのあるお客様は一定数います。そのため、紙媒体を「情報源」として活用する層に対しては、チラシによる集客効果も十分期待できるでしょう。

公益財団法人 新聞通信調査会による2020年に行われた調査によると今後の新聞を購読するかという質問に対し、50代は52.3%、60代は70.6%が「紙の新聞を購読する」と回答したという結果があります。そのため新聞折込については、新聞を購読している人の傾向としてシニアに情報を届けるうえでは高い効果をのぞむことができます。

また新聞折込に対して消費者が持つ印象として信頼性の高さがあります。新聞に折り込まれて届く折込チラシの場合、広告審査基準を事前にクリアしており、新聞購読者に正確な情報源として認識されやすいという特徴があります。

よって、紙媒体をより利用すると思われる高齢者層やファミリー層が多い地域では特に集客効果を見込め、お店の近隣に届けるという部分においてはネット広告よりも高い投資対効果も期待できます。

参考:●第13回メディアに関する全国世論調査(2020年)報告書.pdf

チラシ集客のデメリット

地域性や年齢層といった面でメリットの多いチラシ集客には、いくつかのデメリットがあるのも事実です。チラシ集客における主なデメリットに次の2つが挙げられます。

チラシ集客のデメリット
  • 継続して効果が得にくい
  • ポスティングの場合はクレームが入ることがある

集客戦略としてチラシを取り入れる際は、いずれも理解しておくべき要素です。それぞれの内容を解説します。

継続して効果が得にくい

チラシ集客は瞬発力を発揮し短期的な効果を得られる反面、継続的な効果が得にくい傾向にあります。タイミングや受け取り手の状況とはかけ離れた内容のチラシは、届いても興味がない方にとっては有益な情報とならず、そのまま捨てられるケースも少なくありません。

1度の配布ではチラシの存在や内容を見逃している可能性もあり、継続的な配布によって効果を高めることも考える必要があります。さらに、配布時期やデザイン、素材などを変更し毎回の反響を集計することで、何が消費者を惹きつけるのかというポイントの継続的な検証も行っていかなければなりません。

ポスティングの場合はクレームが入ることがある

家のポストに直接配布するポスティングによってチラシを配って集客を行う場合、そのチラシを受け取った方が不快に思いクレームを入れたり、その居住施設の管理会社からクレームが入るケースもあります。

そのため、ポスティングによるチラシの配布は、それを必要としない方にも届いてしまう性質を理解し「チラシ不要の表記があるポストには入れない」や「過去にクレームとなった住宅には配布しない」といったクレームを避けるための配布体制の運用も必要です。

一方、本来ターゲットとしていなかったお客様から思わぬ反応を得る可能性もあるということです。

5W1Hに沿ってチラシの内容を作成する

チラシにおけるメリットとデメリットの両面を理解し、集客施策として取り入れると決めたあとは、チラシの内容を決めます。チラシの届け方や場所も重要ですが、チラシに何を掲載するのかは同じくらい重要な要素となります。

チラシの制作時に内容を整理するうえで重要となるのが「5W1H」に沿った内容にすることです。5W1Hとは、次の英単語の頭文字を取った略語です。

  • Why(なぜ)
  • Who(誰に)
  • What(何を)
  • When(いつ)
  • Where(どこで)
  • How(どうやって)

チラシから伝えたい内容を5W1Hに沿って構成することで、自ずと情報が整理されます。ここでは、各要素の内容と例を紹介します。

Why(なぜ)

まずは、チラシを作る目的や目標にあたる「Why(なぜ)」の部分を明らかにしましょう。どんな取り組みでも言えることですが、目的や目標を明確にすることで、一貫性をもってチラシ集客に取り組むことができます。

抽象的な目的や目標ではクリアできたかどうかの判断ができず、本当に施策として効果があったのかが不明確になってしまう可能性があります。「新規のお申し込みを10件受注する」や「配布後の売り上げを10%アップさせる」といったように、数字を交えた定量的な目標設定が重要です。

Who(誰に)

具体的な目的や目標を立てたあとは「Who(誰に)」の部分を固めます。「誰に向けたチラシなのか」やチラシを受け取って欲しい人は「どんな悩みを持つ人なのか」といった点を明らかにしましょう。

「Who(誰に)」の部分を明確にすることで、よりターゲットに刺さりやすい内容や表現が見えてきます。ただし「Why(なぜ)」と同様に、曖昧な内容では集客効果の向上は期待できません。

「〇〇エリアに住み、子供が数人いる30代のファミリー」や「年収400万円程の独身男性で将来独立を考えている」といったように、年齢や性別、住まい、収入、背景までを想定しておくと、チラシの内容がスムーズに決まります。この消費者像を決めておくことで、チラシ制作上でも、販促の一連の取り組みを行う上でも迷った際には立ち返るポイントになります。初めのうちに細かく設定しておくことをおすすめします。

What(何を)

「Why(なぜ)」と「Who(誰に)」が具体的になったら、商品やサービスの価値やメリットなどにあたる「What(何を)」を決定します。5W1Hの中でも「What(何を)」が示す「何を届けるか」がもっとも重要な部分といっても過言ではありません。

目に留めてもらうためのキャッチコピーやお客様に商品・サービスをおススメする理由、来店や問い合わせなどにつながる要素を明記します。ターゲットの感情を動かす「期間限定」や「ここだけでしか手に入らない」といった特別な情報をあわせて記載するのもよいでしょう。その他にも、チラシを受け取った方がお得感や特別感を得られるように、値引きやプレゼント、クーポンなどをつけることで短期的な集客効果を上げることが期待できます。

もし自分や周りの人がその情報を受け取ったら「行動したい」と思えるかを想像して、消費者の行動の背中を押すつもりで内容を考えてみましょう。

When(いつ)

営業時間はもちろんのこと、キャンペーンやクーポンに関する期間や曜日、時間といった「When(いつ)」にあたる部分を明確にすることで、ターゲットが行動する動機やきっかけを作れます。

期限を絞ることで今行くべき理由につながる場合があります。今行動するべき理由をつくれているか、来店や会員登録、問い合わせなどの目的とするアクションにつながるような「When(いつ)」の設定を心がけてみてください。

Where(どこで)

どんなに魅力的な内容のチラシであっても「Where(どこで)」が抜けていると、アクションにつながりません。例えば、店舗集客を目的とするチラシであれば店舗の地図は必須といえます。

また、場所によっては周辺環境やアクセス方法を知ってもらうために「駅から徒歩◯分」や「無料駐車場あり」といった補足も必要です。初めて来店するお客様でもチラシがあればたどり着けるような、わかりやすい地図や受け取った人がイメージしやすいような補足情報の記載を徹底しましょう。

How(どうやって)

問い合わせ方法や購入方法、予約方法などにあたる「How(どうやって)」の部分にもこだわりましょう。チラシを見て興味を持ったお客さまがどれだけスムーズに次のアクションに移れるかで、成約率に大きな影響を与えます。

電話やネット注文、来店、テイクアウトといったように、商品やサービスなどの提供を受ける具体的な方法をわかりやすく記載し、それに紐付く具体的な行動の仕方が掲載されているか、分かりやすく表現されているかなど、工夫を凝らしてみてください。

目を引くチラシを作るポイント

5W1Hに沿ってチラシの内容が固まったら、次に思わず目を引くようなデザインや言葉を検討します。ターゲットの目を引くチラシを作るポイントは次の3つです。

目を引くチラシを作るポイント
  • 印象に残るキャッチコピーにする
  • 写真を大きく取り入れる
  • クチコミなどのお客様の声を取り入れる

同じ商品やサービスを訴求するチラシであっても、これらのポイントを押さえているかどうかで成約率や来店率などに大きな差が生じます。ここでは、ポイントごとの内容を例を交えて確認しましょう。

印象に残るキャッチコピーにする

ターゲットの悩みなどを想定し、印象に残るキャッチコピーを記載しましょう。ここでのキャッチコピーとは「商品やサービスの広告において顧客を惹きつける文言」のことです。

キャッチコピーによってターゲットの悩みに共感することで、思わず手にとってしまう内容になります。また、擬音語や話し言葉、固有名詞を含めればより伝わりやすくなり、アンケートの回答や分析結果など根拠にもとづいた具体的な数字は情報の信憑性を上げるという意味でも大切です。

また視点を変えると、受け取った方は同時に複数のチラシを見る可能性があります。そのなかでも自分の届ける情報が他のチラシよりも消費者の気を惹くことができるのか、キャッチコピーはその部分でも重要な要素です。

例えば、「40代の○○にお困りの方に朗報!」といった年齢や性別などの具体的なフレーズを使って自分のための情報だと思ってもらうコピーも有効でしょう。また、「1日300個限定!〇〇地域の方にだけご用意できました!」や「総販売数100万個突破を記念して、1万円分の無料モニター募集中!」といったように、読み手の心が思わず動くようなフレーズを考案してみてください。

写真を大きく取り入れる

チラシに掲載する写真によっても、印象が大きく変わります。特に、商品やサービスを表す写真はできるだけ大きく掲載し、チラシで届けようとしている情報の種類が受け取った方に伝わるようにしてみてください。

新聞の折り込みやポスティングなどで受け取ったチラシをお客様がしっかり中身まで見るかどうかは、一瞬で判断されます。そのため、最初に目がいくであろう部分には写真を大きく掲載するだけでなく、先に挙げた魅力的なキャッチコピーもあわせて配置しなければなりません。

また、写真撮影の際は「明るさ」「背景」「ピント」などにもこだわり、掲載写真のクオリティを高めることも大切です。

クチコミなどのお客様の声を取り入れる

魅力的なキャッチコピーや写真が多く掲載されるチラシであっても、いざ購入や申込み、来店となるとどこか不安を感じるものです。

そこで、最後のひと押しとなるのがすでに購入や来店している方の「クチコミ」です。「クチコミマーケティング」という言葉があるように、ECサイトや、グルメサイト、地図上の情報でもクチコミ機能があります。紙のチラシにおいても、クチコミによるお客様の生の声や感想は、顧客のクチコミから認知度を高めたり、購入や申込み、来店などのハードルを大きく下げたりするきっかけになり得ます。

掲載場所に関わらず、商品やサービスの中身に具体的に言及したクチコミの数が多いほど信頼できる商品やサービス、お店であると判断されるものです。うまくクチコミを集めて消費者に目にしてもらえばブランド力のアップにもつながります。お客さまの声は商品やサービスに携わるスタッフのモチベーションアップにも影響することもあるため、良いクチコミはチラシでもぜひ積極的に掲載してみてください。

効果測定をして次のチラシに活かそう!

ここまで念入りに考えたチラシの施策を実施したあとは、本当に求めている効果が得られているのかを測定する必要があります。その指標の1つに「反響率」が挙げられます。

反響率とはチラシを配布したユーザーのうち、実際に商品やサービスを利用した人数の割合を意味し、次の計算式によって求められます。

  • チラシの反響率(%)=チラシ反応数÷チラシ配布数×100

反響率は配布地域や提供する商品、サービスによっても異なりますが、目安としては「0.01〜0.3%」とされます。例えば、1万枚のチラシを配布し、30件の反響があったとしましょう。この場合は「30件÷10000枚×100」という計算になり、反響率は「0.3%」です。訴求内容や取り扱っている商品・サービスによって反響率は変わりますが、自社や同じ業界の目安を知っておくことで、施策がどこまで効果的だったかの判断ができます。

チラシは配布するたびに認知が広がり、反応率が高まっていくケースも少なくありません。正確な効果を検証するためにも、配布する枚数やエリア、日時などを記録し、次のチラシに活かすことが大切です。

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実際にチラシを作成したり、配布したりするには多くの工数がかかるのも事実です。また、チラシ集客は実施しているものの、効果検証を含めた管理まではできていないという経営者や販促担当者の方も多いのではないでしょうか。

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まとめ

チラシ集客は、地域を限定したり訴求できる層を広げたりと、実施の方法や対象を見極める事で企業に多くのメリットをもたらします。ただし、手順や配布の方法を間違えると、継続的な効果が得にくく、クレームにつながるようなケースもあります。メリットとデメリットのいずれも理解して活用しなければなりません。

また、チラシの内容を作成する際は5W1Hやキャッチコピー、写真、クチコミといった要素を含めた内容を考える必要があります。これらをすべて自社で進めるのが難しい場合には、チラシ集客のプロの力を借りることもおすすめします。

集客手法に迷っている方や、チラシ集客で望んでいる効果が出ていないという方は、ぜひ今回ご紹介した内容を参考にしてみてください。

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