出店計画や戦略を立てる際に、出店を検討している商圏内の競合や立地を知ることは非常に重要です。商圏を把握するには、商圏の人口、ライフスタイル、購買力、交通事情など、地図上だけではわからない情報収集がポイントになります。

今回は、出店戦略のエリアマーケティングについて具体的な方法を紹介します。

出店場所を決めるエリアマーケティングとは?

エリアマーケティングとは、自店が新規出店を図る際に、その商圏における競合や顧客などの市場分析を行い、その商圏に特化した戦略を立てるというマーケティング手法です。

自店の事業形態や規模などによって戦略は異なりますが、基本的にはその商圏に住む人々の生活スタイルやニーズと、自店の扱う商品・サービスが合致するエリアに出店することが大きなポイントとなります。見込み顧客となりそうな住民がどの程度住んでいるのか、競合店はどのくらい出店されているのかなどを見極めていきます。

商圏分析に必要な4つのポイント

ここでは、新規出店を図る際の商圏分析にあたり、必要な4つのポイントを紹介します。

商圏分析に必要な4つのポイント
  1. 商圏内における人口の把握
  2. 商圏内のライフスタイルと購買力
  3. 交通事情
  4. 商圏内競合における調査・分析

1.商圏内における人口の把握

新規出店を検討している商圏内においての現在の人口や将来的な人口の増減を分析し、自店の扱う商品・サービスによってその分析範囲を広げていきます。

「最寄品商圏」なら10〜15分の移動圏内

「最寄品(もよりひん)」とは、自宅・職場といった最寄りの店舗で日常的に購入する商品を指します。この場合はコンビニエンスストアやスーパー、ドラッグストアなど、10分〜15分圏内の徒歩1.2kmくらいまでの距離で、来店頻度がほぼ毎日になるエリアを調査します。

「専門品商圏」なら30〜40分以上の移動圏内

「専門品(せんもんひん)」とは、文字通り百貨店や専門店といった店舗での高級にあたる商品を指します。来店頻度は月に1〜2回で、30〜40分以上の移動距離のエリアです。

2.商圏内のライフスタイルと購買力

その商圏に住む人々のライフスタイルや購入する商品の価格帯と、自店の商品・サービスがマッチしているかどうかを把握します。一般に公開されている国勢調査の分析データなども活用して絞り込むことが可能です。

3.交通事情

新規出店を検討している商圏内において、ターゲットになり得る客層が来店するまでに障害となりそうなものがないかを把握します。この場合は、インターネットや紙の地図上だけでは把握しきれないことがあるため、実際にその地域を訪れて検討する必要があるでしょう。商圏を分断してしまうような大きな河川や方向が異なる道路や路線がないかもあわせて確認することがポイントです。

4.商圏内競合における調査・分析

商圏内に競合となりそうな店舗がどの程度存在し、それらの店舗がどの程度の収益を得ているのか、競合店の調査・分析を行います。競合店の動向を知ることで、どのくらいのニーズがあるかもあわせて知ることができ、今後の出店計画の戦略を立てることにも役立ちます。

他社との差別化を図るなら【3C/4P分析】が有効

競合他社との差別化を図るための戦略立案に有効なのが、フレームワーク(枠組み)のひとつとしてあげられる「3C分析」「4P分析」です。それぞれどのようなものなのか説明していきます。

3C分析とは?

「3C分析」の3Cとは、「Company(自社)」「Customer(顧客)」「Competitor(競合他社)」を指し、これらの3つの関連性を踏まえて状況を分析する方法です。例えば、自社のサービスのほうが高価格帯で、競合他社で扱う同様のサービスが低価格帯であった場合でも、ターゲットとする顧客が高価格帯のサービスを求めているとすれば、自社のほうが市場的には有利な立場であると考えることができます。そのように3つの関連性を考えることでより効率的な出店戦略を検討することが可能となります。

3C分析をより具体的に知りたい場合には、こちらの記事もご参考ください。

3C分析のやり方とは?企業の強み・弱みをふまえた戦略を立てよう

4P分析とは?

「4P分析」の4Pとは、「Product(製品)」「Price(価格)」「Promotion(販促)」「Place(流通)」を指します。これらを観点として、自社の出店戦略を分析していく方法です。

ターゲットとなる顧客を設定し、これらの4Pの中で何ができていて何が不足しているかを把握することで、今後の出店戦略の課題や競合他社との違いが見つけやすくなります。

4P分析をより具体的に知りたい場合には、こちらの記事もご参考ください。

マーケティングにおける4Pとは?戦略を立案するコツも教えます!

【SWOT分析】で内部要因と外部要因を把握する

自社の商品・サービスの強みや弱みを知るうえで有効とされる分析方法に「SWOT分析」というものがあります。最後にSWOT分析での効果的な分析方法について紹介します。

SWOT分析とは?

SWOT分析とは、自社の商品・サービスの強みと弱みという内部要因と、機会や脅威、つまり市場の状況や競合といった外部要因の把握のための分析方法で、マトリクスの形でひとつひとつ落とし込んでいきます。

例えば、内部要因であれば自社の商品・サービスの認知度、価格、品質といった要素についての強みと弱みを挙げていきます。外部要因であれば、競合の状況や景気の動向などといった自社以外の部分についての強みと弱みをあげていきます。

分析を行う際は、何のための分析なのか、目的を明確にし、数値目標を掲げるなどといった設定を事前に行うことで目的がブレずに分析を進めることができます。

クロスSWOT分析で戦略を考える

マトリクスの形に内部要因と外部要因を埋めることができたら、それらを掛けあわせて戦略を考えていきます。

例えば「強み×脅威」として掛けあわせると、自社の強みによって競合という脅威を避けるにはどのような方法があるかという戦略を立てることができ、「弱み×機会」として掛けあわせた場合は、弱みによって機会損失が起きないようにする方法についての戦略立案が可能です。

SWOT分析は万能な分析方法ではないものの、自社の強みと弱みを明確にすることは現状把握ができるうえに客観的な見方ができる重要な方法ですので、戦略のひとつとして試してみるとよいでしょう。

まとめ

今回は、出店戦略に重要なエリアマーケティングについて紹介しました。出店計画を立てる際に、その商圏内の競合や立地を知ることは非常に重要です。商圏を把握するには、商圏の人口、ライフスタイル、購買力、交通事情など、地図上だけでは把握しきれないような情報を得ることが大切です。

また、競合他社との差別化を図るための戦略立案に有効なフレームワークである「3C分析」「4P分析」や、自社の強みと弱みを明確にする「SWOT分析」の活用も出店戦略には大いに有効な手段です。自店の新規出店のためのエリアマーケティングを徹底し、より成功に近づけるように進めてみてはいかがでしょうか。

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