集客キャンペーンを行うメリット

集客のためにキャンペーンを実施するメリットとしては、主に新規顧客への認知や開拓ができることと、リピーターの獲得に繋がることが挙げられます。

キャンペーンを大々的に行い、これまでリーチできていなかった顧客に認知されたり、同業他社のサービスを利用している顧客の興味を惹いたりすることができれば、新規顧客の獲得につながります。また、既に商品やサービスを利用したことがある既存の顧客にとっても、キャンペーンがあることで継続的な利用のきっかけになり得ます。料金や特典など、顧客にとってお得なキャンペーンであればあるほど、「この機会を逃すと損する」と感じてもらえる可能性があり、キャンペーンをきっかけとした顧客化が狙えるのです。

例えば、大規模なネットショップを運営している楽天やAmazonでは、年に数回、大きな割引キャンペーンを行っており、既存新規問わず集客に成功しています。これらは大手通販サイトということもあり、その認知度を活かしてキャンペーン自体の認知度も高めており、「この時期はキャンペーンが来るから買い物をしよう」という気持ちを促しています。一般的な認知度がまだ低い店舗や企業においても、キャンペーンによってまずは一度利用してもらうきっかけを作れば、商品の良さに気付いてもらえるかもしれません。

ただし、割引などの一部のキャンペーンは、やりすぎると企業イメージの低下や利益率が低くなるなどのデメリットもあるため、実施する際は十分に注意しましょう。

すぐに実践できる集客キャンペーン手法7つ

集客にキャンペーンを活用するメリットを押さえたら、次は具体的なキャンペーンの内容や手法について確認していきましょう。ここでは、実践できる集客キャンペーンの手法を7つ紹介します。

すぐ実践できる7つの集客キャンペーン
  1. 初回値引きキャンペーン
  2. (2回目以降)来店時○%OFFキャンペーン
  3. ○○記念キャンペーン
  4. お友達紹介キャンペーン
  5. 期間・数量を限定し希少性をアピールする
  6. ポイントの付与で景品などをプレゼントする

初回値引きキャンペーン

初回値引きキャンペーンは、その名の通りまだ商品やサービスを利用したことが無い顧客にアプローチするためのキャンペーンです。初回値引きキャンペーンを行うことにより、商品購入やサービス利用などの初めの敷居を抑え、来店機会を作れることが期待できます。

美容院やエステサロン、マッサージ店など、価格の高さやスタッフとの相性などが来店の課題になりがちな業種では、初回利用のハードルを下げるために値引きキャンペーンを使って成果を上げているケースがあります。一度でも利用した顧客の満足度を高めることができ、通常の金額でも納得できるサービスだと思ってもらえれば、リピーターになってもらえる可能性があります。

ただし、価格の安さを最重視する顧客の場合、2回目以降に割引がされていなければ、それ以降来店しなくなってしまう可能性があります。

(2回目以降)来店時〇%OFFキャンペーン

次回来店時にお得になる「次回来店時に〇%OFF」などのキャンペーンは、1度店舗を利用した顧客をリピーターにするために活用されます。次回来店用のキャンペーンを実施することで、また利用してもらえる可能性が高まります。顧客に「次もいかなくてはもったいない」と思わせることができれば、次回の来店機会を増やすことが可能です。

2回目だけではなく3回目以降もキャンペーンを行っていけば、さらに顧客のリピート率を高めることができるでしょう。初めてお店を利用した顧客にとっても、2回目だけでなく、継続的にお得なキャンペーンがあることが分かれば、より再来店のきっかけになります。

また、これらのキャンペーンを行う時は、顧客にお得であることがしっかりと認知されるように、メルマガや新聞折込などで告知を積極的に行っていくことも大切です。

○○記念キャンペーン

「○○記念キャンペーン」というキャンペーンは、特定の日時や事柄に限定して特別感を演出できます。顧客の誕生日や来店回数などを記念してお得な割引や特典をつけるなどのキャンペーンを行うと良いでしょう。

例えば、「今月がお誕生日の方限定で○○キャンペーン」と告知すると、顧客にとっては「自分への誕生日プレゼント」などといった理由付けによって、再来店や再購入をしてもらえる可能性があります。「購入回数に応じた特典」であれば、店舗側に何度も通っていることから得られる特典であるという達成感や特別感を与えることができたり、顧客にとっても「利用し続けている」という一種のステータスのように感じてもらえるケースもあり、よりリピート化を促すきっかけにもなります。

記念キャンペーンは、顧客の記念日だけでなく「開店〇周年」など、店舗やスタッフにまつわる記念日も候補に入れておくとよいでしょう。店舗と顧客との接点が多かったり距離が近かったりする業種では、お祝いを目的とした顧客の来店や利用も期待できます。

お友達紹介キャンペーン

お友達紹介キャンペーンは、友達や家族など周囲の人間に商品やサービス、店舗を紹介することで特典を得られるようにするキャンペーンです。特典を求めている顧客によって口コミが広がりやすく、新規顧客への認知や来店機会を増やせることが期待できると同時に、紹介する側の顧客のさらなるリピートも促せます。紹介する側だけではなく紹介された側にとっても何かメリットがあれば、より高い効果を狙うことができます。

お友達紹介キャンペーンは、情報の伝達や拡散がされやすいインターネットを通した集客でよく使われる他、塾や施設、アパレルショップのインターネット通販、携帯契約の集客をする際などでもよく使われている方法です。

くじ引きを利用し顧客にワクワク感を与える

くじ引きキャンペーンを開催することで顧客にワクワク感を与え来店機会を増やすことも可能です。

宝くじやおみくじなどに魅力を感じる人が多いように、くじ引きが好きなお客様も一定数います。当選した人にプレゼントや割引などの特典を用意することで、来店者数のアップが期待できます。くじ引きは、参加のしやすさが重要なため、参加条件を達成しやすい商品やサービスにおいてよく活用されています。たとえば、決済アプリや通販サイトのアプリ、コンビニエンスストアなど、定期的に利用することの多い業種や店舗、サービスにおいて見受けられます。利用客の客単価をベースとして「700円以上お買い上げで1回くじ引き」のような条件を設定しているケースもあります。

ただし、くじ引きの懸賞には法律で上限が決まっているので、消費者庁の規定を事前に確認しましょう。

参考:消費者庁|一般懸賞

期間・数量を限定し希少性をアピールする

期間や数量が限定的であることをアピールすると、「なくなる前に早く買わなくては」と思わせることができ、来店機会を増やすことにつながります。

例えば「先着〇名様限定」と表記しておけば、顧客の購買意欲を揺さぶり購入させやすくすることが可能です。

ポイントの付与で景品などをプレゼントする

スタンプやポイント・シールを集めると景品がもらえるキャンペーンは顧客の収集欲を刺激するため、とくにリピーターの獲得に繋がりやすくなります。

例えば、大手コンビニでは、商品に貼ってあるシールを何枚か集めると有名キャラクターの皿がもらえるキャンペーンを行っているケースもあります。定期的に皿の種類が変わるなどもらえる特典に変化があれば、「全て集めたい」という顧客の収集欲を刺激して、店舗の利用を促すきっかけにもなるでしょう。

また、ポイントやシールが徐々に溜まっていくことの楽しさや、全て溜まって特典を得られた時の達成感に価値を感じてもらえることもあります。収集欲や達成感など、顧客の心理を刺激できるような特典やポイントの収集方法などを考えてみるとよいでしょう。

集客キャンペーンを使う際の注意点

ここまで集客キャンペーンの方法を紹介しましたが、やり方を間違えてしまうと思うように集客数を伸ばすことはできません。

以下では、集客キャンペーンを行う際の注意点を解説します。

集客キャンペーンを使う際の注意点
  • 過度なキャンペーンは商品価値が低下する
  • スタッフのモチベーション低下に繋がる

過度なキャンペーンは商品価値が低下する

ただ売りたいからという理由で割引キャンペーンを行うと「安かろう、悪かろう」という心理が働き、商品価値を下げてしまう恐れがあります。

そのため、割引キャンペーンを行う際は、はっきりと目的を決めて行うようにしましょう。なぜ割引をするのかを明確に顧客に伝えることにより、割引キャンペーンで商品価値が低下するリスクを避けることができます。

スタッフのモチベーション低下に繋がる

キャンペーンは売上が一時的に上がるかもしれませんが、利益率が少なくなります。そのため、作業量が増えるだけで給料が上がらなければ、スタッフのモチベーション低下に繋がるでしょう。

また競合店も似たような割引キャンペーンを行ってくると、価格競争となり消耗戦となります。キャンペーンのやりすぎは、既存の顧客も離れてしまう恐れがあるため、注意して行いましょう。

リスクを抑えつつキャンペーンを行う5つの方法

キャンペーンのやり方を間違えると商品価値の低下や顧客が離れてしまう可能性があるため、リスクを抑えるための手法についても知っておくべきです。

ここでは、リスクを抑えて効率よくキャンペーンを実施する方法を、5つ紹介します。

リスクを抑えつつキャンペーンを行う5つの方法
  • 訳アリ割引
  • お試し割引
  • 下取り割引
  • まとめ買い割引
  • 条件付き割引

訳アリ割引

訳アリ割引は、傷がついた商品や期限の近い売れ残り商品を売るのに効果的です。

本来であれば廃棄処分していた商品も、価格が安ければ購入したいと考える人もいます。商品の廃棄を実施しているなら、訳アリ商品として販売することを検討しましょう。

お試し割引

お試し割引は、新規の利用を検討中の見込み顧客に対して効果的です。特に、1度利用した後に継続的に利用することが多いようなサービスや業種では有効で、美容サロンやスポーツジム、サブスクリプションなどで活用されているのが見受けられます。お試しで利用してもらい、商品やサービスの良さに気付いてもらったり、継続利用することの価値を感じてもらったりすることで、顧客化を狙うことができます。値引きの理由がしっかりと伝わるので、商品価値が低下する心配は少ないでしょう。

一度利用してもらったら良さがわかる商品やサービスの集客を行うときに、実施すると効果的です。

下取り割引

下取り割引は、顧客が持っている品物を下取りして買い取ることで、商品を購入してもらいやすくするという効果があります。顧客にとっては、すでに持っている物を処分する手間も省けるうえに、お得に購入できるというメリットがあります。

下取り割引は、顧客が普段から使っているものを買い替える場合と相性がよく、大きな出費となる高額な商品において、少しでも安く買いたいという顧客の心理を刺激することが期待できます。よって、日常で使用する家電をはじめ、カメラや楽器などの趣味の道具や、パソコンやスマートフォンなどの高価な物において実施しているケースが見受けられます。

また、店舗側としても下取りした商品を中古品として再販売すれば、ただ不要な品物を顧客から引き取るだけでなく、品揃えの増加やさらなる利益獲得にもつなげられます。

まとめ買い割引

まとめ買い割引は、顧客の「ついでに買っておこう」という気持ちを誘発させる効果があります。特に定期的に買い足す消耗品の販売時に効果があります。

また、まとめ買いに似たような割引方法で「3,000円以上のご購入で○○%OFF」というのも効果的です。まとめ割引は、少しの割引でもお得に感じやすくなるため、利益率もあまり下げず、おすすめのキャンペーンです。

条件付き割引

条件付き割引は、一定の条件を満たした方にキャンペーンを行う方法です。

例えば、SNSのフォローやリツイートなど条件を付けて割引を行う方法があります。SNSをうまく利用すれば、フォロワーを増やしたりお店情報を多くの方に拡散させることも可能です。

この手法であれば、仮にその顧客がリピーターにならなかったとしても、その顧客のフォロワーが新規顧客となってくれるチャンスが生まれるので、効率的に集客ができます。

まとめ

キャンペーンを利用した集客は効果的ですが、やり方を間違えてしまうと逆効果となります。特に、安くすれば売れるという発想は、商品価値の低下や既存の顧客離れが進む恐れがあります。

安易にキャンペーン内容を決めずに、それぞれのキャンペーンのメリット・デメリットを理解したうえで実施するのが大切です。

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