販促のツールとして、メルマガ配信を行っている企業は多いでしょう。しかしメルマガの効果を高めるには、ただなんとなくメールを配信するのではなく、開封率やクリックなどの反応をチェックしながら、分析と改善を行わなければなりません。

当記事ではメルマガの開封率を上げるポイントや調べ方などを解説します。

メルマガ開封率の算出方法と平均値

メルマガをより効果的に運用していくには、まず開封率の算出方法を知る必要があります。また、開封率の平均値や業界別の平均メルマガ開封率を知っておけば、目標値も設定しやすいでしょう。

メルマガの開封率を算出する方法

メルマガの開封率は次の数式によって算出可能です。

  • (開封数÷メール到達数)×100%

例えば、メールが到達した数が4,000件だとして、メールを開封された数が200件だった場合、計算式は「(200÷4,000)×100%」となり開封率は5%となります。

開封数とは、メルマガ内にある画像の表示有無によって計測されます。よって開封された画像の読み込みを途中で停止したり、特定の形式で受信をしていなかったりする場合には開封数としてカウントされない可能性があります。

よって、メルマガの開封率は算出された値よりも少し高めになる可能性があり、算出値はあくまでも目安として捉えておくのがよいでしょう。

メルマガの開封率の平均値

世界に50万社の利用実績を持つ「Benchmark Email」のデータを参考にすると、メルマガの開封率は23%前後が平均値とされています。

また業界別で見た場合のメルマガ開封率は次のとおりです。

  • 非営利団体・・・約36%
  • 飲食関連・・・約33%
  • 出版・・・約29%
  • 不動産・・・約25%
  • インターネットマーケティング・・・約17%

この開封率からも業種だけでも開封率には大きな差があることがわかります。

参考:HTMLメール配信システム Benchmark Email

メルマガの開封率を上げるためには分析が重要

メルマガの開封率を上げるには、開封率などを元に現状の分析を行い、改善していくことが重要です。ここでは具体的な分析手法について紹介します。

KPIを設定して効果測定を行う

メルマガの開封率アップを目指すには、KPIの事前設定が必要になります。KPIとは重要業績評価指標とも呼ばれ、ゴールに向かうまでの達成状況を定点的に観測するための指標です。

メルマガでいえば、開封率や到達率、クリック率、コンバージョン率の4項目がKPIとして考えられます。これらをKPIとして設定し、それぞれに対して適宜、効果測定を行いましょう。

PDCAを回して分析と改善を行う

KPIによる効果測定だけでなく、PDCAサイクルも重要です。PDCAサイクルとは「PLAN(計画)→DO(実行)→CHECK(評価)→ACTION(改善)」を回し、分析と改善を繰り返す手法です。

PDCAサイクルを用いた改善の継続は、品質のアップを期待できます。メルマガ配信であれば、配信結果を分析して課題点を抽出し、その課題を解決する施策を続けながら決められた時点で評価をしましょう。

メルマガの開封率を上げる具体的なポイント

メルマガの開封率を上げるためには、内容の作り方や見せ方についてのポイントを正しく押さえることが大事です。効率的に開封率アップを目指せるように、どのようなことに気を付けてメルマガ制作を行えばよいのか見ていきましょう。

読者に価値のある情報を記載

メルマガの開封率と読者の当事者意識は大きく関係しており、読者の興味を惹くような価値ある情報を提供しなければなりません。

例えば、顧客の購買履歴やサイトへのアクセス情報などを参考にメルマガを作成すれば、顧客に「自分に関係する内容だ」と思ってもらいやすくなるでしょう。やみくもに文章やタイトルを考えるのではなく、まずはターゲットを明確にし、読者視点に立って内容を考える事が大事です。

開封したくなる件名をつける

読者がメール一覧を見た際、思わずメールを開きたくなるような件名にするのもポイントの1つです。「文字数を少なめにする」「具体的な表現にする」といった工夫で訴求力を高められるでしょう。

件名の文字数は20文字程度

メルマガの件名は表示文字数の制限の観点からも20文字前後に収めましょう。メルマガのチェックをスマホで行う場合、パソコンに比べて画面サイズが狭く、一度に表示できる文字数は多くありません。

何を伝えるメルマガなのかを的確に伝えるためにも、件名は20文字前後として情報を簡潔にまとめましょう。

重要なことは冒頭に記載

メルマガは必ずしも読む必要がないものと認識される場合も多く、他のメールに比べて優先度を低くされがちです。

メルマガを開いた読者に少しでも興味をもってもらうためには、最初に見る冒頭文に重要なことを記載して、インパクトを与える必要があります。

具体的な言葉や数字を記載

件名の具体性も重要な要素の1つであり、具体的なメルマガにするポイントは2つです。

1つ目が具体的な言葉です。例えば「自動車特集」よりも「ドイツの車特集」と具体的に表したほうが、ストレートに内容を伝えられます。

2つ目が数字です。「お安く提供!」という表現よりも「今なら30%オフ!」と具体的に数字で記載すると情報が明確になり、より伝わりやすくなるでしょう。

キラーワードを使ってアプローチする

キラーワードとは殺し文句とも呼ばれ、相手の心を掴む表現方法です。「限定」や「話題」などの単語がキラーワードに分類されており、これらの単語を使えば読者に対して印象を残しやすく、効果的なアプローチが期待できます。

特に新商品や話題商品などはキラーワードとの相性がよく、開封率も上がりやすいので活用してみてください。

開封されやすい日時を狙い配信する

メルマガは読者の手が空きやすい日時を狙って配信すると開封されやすいです。例えば、主婦をターゲットにしている場合、家事がある程度落ち着く12~13時頃に配信するとよいでしょう。

ビジネスマンであれば帰宅時間や休憩時間などを狙うと効果的です。また開封する日時を一定にしていればメルマガのチェックが習慣化され、開封率が上がるといわれています。

配信頻度を調整する

開封されやすい日時に配信すれば必ずしも開封率が上がるわけではありません。ターゲットなどを分析し、配信の頻度も調整する必要があります。

例えば、最新の情報を常に求めている読者であれば、毎日配信でも問題ありません。しかし少し興味があるだけの読者に対しては、毎日配信は頻度として多いといえます。最悪の場合、配信停止にもつながりかねません。

ターゲット層や情報の質、配信する意図などを意識したうえで、適切な配信頻度に調整しましょう。

メルマガの開封率の分析方法

メルマガの開封率を分析する方法で有名なものに「Google Analytics」があります。どちらかといえばサイト分析で有名ですが、メルマガの開封率の分析にも利用可能です。

ここではメルマガの開封率を分析する2つのツールにおけるそれぞれの特徴を見ていきましょう。

Google Analyticsを使う

前述のとおり、サイトやブログ運営で多く利用されているGoogle Analyticsはメルマガ開封率の分析にも使用できます。メルマガに掲載している画像に「Measurement Protocolタグ」設置すれば、Google Analyticsの合計イベント数から確認可能です。

しかしHTMLメールの使用が条件であることとMeasurement Protocolタグの生成には「Google Hit Builder」という別のツールを使用しなければなりません。以上の点から設定が複雑なため、難しく感じる方も多い方法といえるでしょう。

メール配信システムを使う

複雑な設定に不安を感じる方はメール配信システムの利用がおすすめです。HTML作成エディタを利用すれば簡単にHTMLメールを作成できる他、複雑な設定を要することなく開封率を把握できます。

ITに関する知識があまり無い方でもすぐに利用しやすく、Google Analyticsでの設定が難しいと感じたら、メール配信システムへ切り替えを検討してみましょう。

まとめ

メルマガの開封率を上げるには開封率を算出し、現状分析と改善を繰り返し実施する必要があります。

メルマガを効果的に活用するためにも、開封率の算出方法やKPI、PDCAサイクルについてもしっかりと理解しておきましょう。メルマガの基本は読者に価値のある情報が提供できるどうかです。

メルマガの開封率ばかりを意識して読者への配慮を忘れないようにしましょう。

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