従業員の出退勤管理だけでなく、残業や休日出勤の申請、シフト管理などさまざまなマネジメント業務を一括で行える「勤怠管理システム」は、機能の充実度によって費用にどのような違いがあるのでしょうか。

今回は、勤怠管理システム導入時にはどのようなコストがかかってくるのか、費用相場やおすすめのシステムを合わせて紹介します。

勤怠管理システム導入前と導入後の費用比較

これまで利用されてきた紙製のタイムカード打刻による勤怠管理でも一定のコストはかかっていましたが、具体的に導入前と導入後の費用にはどのような違いがあるのでしょうか。

勤怠管理システムを導入する前は、紙のタイムカードなどの消耗品費や運送費、保管費などがかかっています。さらにタイムカードへ正しく打刻されているか、打刻漏れや不正打刻などのチェックを行う担当者や、タイムカードの打刻時間を照会して給与計算などを行う担当者などの人件費、それらに要する時間も必要となります。

勤怠管理システムを導入した後では、それらの費用は必要がなくなり、さらに打刻チェックや給与計算にかかっていた時間も不要になるため、大幅に時間と経費を削減することができるでしょう。導入時にかかるコストについては、後に説明していきます。

勤怠管理システムの種類について

勤怠管理システムには、「タイムレコーダー型」「クラウド型」「パッケージ型」の3種類があります。

タイムレコーダー型は、紙製のタイムカードをタイムレコーダー機器に入れることで打刻するタイプを指します。出退勤の時刻を打刻するだけなので、多くの人が簡単に利用しやすく、管理内容もシンプルです。近年では、紙製のタイムカードだけでなく、ICカードなどを用いてパソコンと連動できるタイプもあります。

クラウド型は、インターネット上でシステム業者が運営する勤怠管理システムを利用して勤怠管理を行います。自社でサーバーを用意する必要がなく、保守管理もシステム業者側が行うので、コストや手間を省くには効果的です。

パッケージ型は、サーバーと専用ソフトウェアを自社で用意して勤怠管理を行います。初期コストが比較的高額にはなりますが、機密情報を扱う場合など自社内だけで情報をとどめたい場合にはおすすめです。

クラウド型の費用相場

ここでは、クラウド型の勤怠管理システムの費用相場を紹介します。

初期費用

クラウド型は保守管理が不要な上に導入も簡単に行えるため、初期費用を比較的安価に抑えられます。初期費用の相場としては3万円前後〜50万円前後と、利用できる機能の豊富さによって異なります。また、機能の一部を無料で利用できるシステムもあります。

初期費用の内訳は、ライセンス発行費用が0〜10万円前後、導入サポート費用が0〜20万円前後、システム移行費用が20万円前後です。

参考:勤怠管理システムの平均費用と料金相場|早見表つき|アイミツSaaS
参考:勤怠管理システムの費用対効果は?算出方法を徹底解説
参考:勤怠管理システムの導入費用とランニングコストの相場はいくら? |【EMEAO!】失敗しない!業者選定ガイド

ランニングコスト

クラウド型のランニングコストは、システム使用料金が主になります。登録する従業員数で価格が変わり、一人あたり月額200〜500円前後が多くみられます。

クラウド型勤怠管理システムの場合、サーバー保守の必要はなく、システム管理もシステム業者側で行うため、管理に対する手間とコストが不要というのがメリットといえるでしょう。

参考:勤怠管理システムとは?目的やメリット、費用相場をまとめてみた | Web制作会社・システム開発会社を探すなら「比較ビズ」

パッケージ型の費用相場

パッケージ型の勤怠管理システム導入の費用相場は以下の通りです。

初期費用

パッケージ型の場合の初期費用は30〜150万円と、クラウド型と比較すると高額になります。内訳は、システムパッケージ費用が約30万円〜150万円、サーバー設置や設定費用が数万円から、システム開発と構築費用がエンジニア一人あたり1日4万円×工数、システムインストールとセットアップの費用が数万円から、と本格的であるほど費用はかかります。

参考:勤怠管理システムの費用対効果は?算出方法を徹底解説
参考:勤怠管理システムの平均費用と料金相場|早見表つき|アイミツSaaS
参考:勤怠管理システムの導入費用とランニングコストの相場はいくら? |【EMEAO!】失敗しない!業者選定ガイド

ランニングコスト

パッケージ型の勤怠管理システムは、初期費用が高額であるのに対し、ランニングコストが低いのが魅力といえます。サーバー運用と保守が月額1万円〜、システムのバージョンアップ費用が0円〜数万円、人件費が月額30万円前後です。専門知識のあるエンジニアが必要になるため人件費が高くなりますが、機密情報の取扱いを企業内完結で行いたい場合には、パッケージ型が適しているといえるでしょう。

参考:勤怠管理システムとは?目的やメリット、費用相場をまとめてみた | Web制作会社・システム開発会社を探すなら「比較ビズ」

勤怠管理システム料金の違いについて

ここまで紹介した勤怠管理システムの費用について、クラウド型・パッケージ型いずれも料金に幅があることに気づきます。料金の幅にはどのような違いがあるのでしょうか。

使用できる機能に差がある

クラウド型の場合は、一つの機能に対していくら、という料金設定がされています。そのため、打刻管理だけならいくら、打刻管理と申請管理の2機能ならいくら、というように機能を追加するごとに料金が変わっていきます。

パッケージ型の勤怠管理システムの場合は、自社の勤怠管理に合わせてサーバーやシステムの構築を行うため、システム開発・実装の費用として数十万円〜百万円以上かかる場合もあります。

使用人数やオプションによっても異なる

クラウド型の利用料金は、従業員一人あたりいくら、1機能あたりいくら、という料金設定がなされているため、従業員数が多いほど、または機能を増やせば増やすほどランニングコストは高くなります。

したがって、何千人規模の従業員数の企業ではコストが従業員数に左右されにくいパッケージ型の方が全体的な費用を抑えられる可能性が高く、一方で比較的小規模な企業であれば高いシステム開発・実装費用を必要としないクラウド型を活用する方が安くなりやすいでしょう。

勤怠管理システム料金比較

ここでは、クラウド型の勤怠管理システムの一つ「ジョブカン」と、パッケージ型勤怠管理システムの「BIZWORK+」の料金比較をしていきます。

クラウド型のジョブカンは、利用する機能の数によってランニングコストが変わっていきます。1機能の場合は1ユーザー(従業員)につき200円/月、4機能であれば1ユーザーにつき500円/月です。しかし、月額利用料金の最低額は2,000円と決まっているため、従業員数10名以上でなければ利用できないということになります。

最初の30日間は無料トライアルを利用することができ、30日に満たない間に利用をやめることも可能なため、試しに利用できるところがポイントでしょう。

一方、パッケージ型の勤怠管理システムの「BIZWORK+」は、サーバー稼働時にサーバー設定費用が別途必要になります。初期導入支援のサービスがあり、最小限の1〜2カ月以内で70万円からのコースが用意されています。さらに登録人数二千人未満であれば初期費用には変動がないので、大企業ながら従業員数が二千人に満たない場合にはおすすめです。

ちなみに、いずれの費用も打刻機器の購入費用は含まれていないため、事前に確認してみると良いでしょう。

(2021年12月時点)

参考:プラン・料金 | No.1勤怠管理・シフト管理システム「ジョブカン」
参考:買取り(オンプレ)で低価格の勤怠管理BizWork+(ビズワーク プラス)

有料のおすすめクラウド型勤怠システム

有料のおすすめクラウド型勤怠システム
  • Touch On Time(タッチオンタイム)
  • MoneyForwardクラウド勤怠(マネーフォワードクラウド勤怠)

気軽に導入でき、保守管理の時間も削減できるクラウド型勤怠管理システムの中から、有料おすすめシステムを2つ紹介します。

Touch On Time(タッチオンタイム)

「タッチオンタイム」は初期設定費用とサポート料金がそれぞれ0円、一人当たりの月額費用300円と、追加機能はないものの安価なため、従業員数が少ない場合におすすめの打刻管理システムです。最低利用料金や最低契約日数の決まりはなく、1カ月でも利用でき試しに使ってみたい場合にもおすすめです。

アプリケーションのみ利用の場合は、専用Webサイトにアクセスして画面上の打刻ボタンをクリックすることで打刻となります。また、アプリケーションと専用のタイムレコーダーを購入することも可能で、その場合は画面上の打刻以外に、指紋認証とICカード認証での打刻もできます。ただし、ICカードは別途用意が必要です。

(2021年12月時点)

参考:勤怠管理システム『Touch On Time(タッチオンタイム)』|シェアNo.1のクラウド勤怠管理システム

MoneyForwardクラウド勤怠(マネーフォワードクラウド勤怠)

「マネーフォワードクラウド勤怠」は、勤怠管理、シフト管理、有休管理、異動管理などさまざまな勤怠管理の機能を利用できます。

料金は、小規模事業者向けプランなら年額2,980円/月、中小企業向けプランなら年額4,980円/月、1カ月の無料トライアルもあります。

また、同系列サービスである「マネーフォワードクラウド給与」と連携することで、勤怠管理から給与計算まで連結して管理することが可能です。さらにマネーフォワードクラウドのWebサイトには、AIチャットサポートがあるほか、企業の導入事例が紹介されているので、どのように活用しているのか詳しく把握することができます。

(2021年12月時点)

参考:クラウド型勤怠管理システムなら「マネーフォワード クラウド勤怠」

一部無料のクラウド型勤怠システム

一部無料のクラウド型勤怠システム
  • IEYASU(イエヤス)
  • スマレジ・タイムカード

クラウド型勤怠管理システムを気軽に始めてみたいという方には、一部の機能を無料で利用できる勤怠管理システムがあります。最後に2つのサービスを紹介します。

IEYASU(イエヤス)

「イエヤス」は人事実務に関する専門家が共同開発した、専門のノウハウが満載ながら無料で利用できる勤怠管理システムです。シンプルな画面で使いやすいにもかかわらず、勤怠管理だけでなく、承認・申請機能も備えており、勤務時間やみなし時間など企業ごとの就業規則に合わせて運用することができます。新たに追加された日報機能を活用すれば、勤務時間と業務内容とを照らし合わせながら業務の効率化を図ることが可能です。

無料プランで試してみて良さを感じたら、従業員数に応じた有料プランに移行することもできます。

(2021年12月時点)

参考:無料のクラウド勤怠管理システム【IEYASU】タイムカードを卒業

スマレジ・タイムカード

「スマレジ・タイムカード」は多様になった出退勤方法に合わせて、さまざまな出退勤の記録ができます。企業に設置している画面にタッチして打刻する方法以外に、外勤者用には自宅にあるパソコンやスマートフォンから管理画面へのアクセスも可能です。面白いことには、顔認証ならぬ「笑顔認証」という機能もあり、明るい雰囲気で朝を迎えたい企業にはおすすめです。

スマレジ・タイムカードの料金はスタンダードプランの場合は30名までは月額0円、31名以上は1名につき110円プラスになります。スタンダードプランの場合は勤怠管理のみになり、他のシフト管理や休暇管理機能などを利用したい場合は、10名まで月額2,200円のプランもあります。

(2021年12月時点)

参考:スマレジ・タイムカード – 無料で始めるクラウド勤怠管理システム

まとめ

今回は、勤怠管理システム導入時の費用相場と、おすすめの勤怠管理システムを紹介しました。

勤怠管理システムには、「タイムレコーダー型」「クラウド型」「パッケージ型」の3種類があり、初期費用やランニングコストはそれぞれ異なります。クラウド型は従業員数や利用したい機能によって料金に変動があるということ、一方パッケージ型はサーバー構築や開発費用、エンジニア費用などの初期費用は比較的高額となりますが、ランニングコストが低く機密情報を扱う場合におすすめであるということがそれぞれの特徴です。

クラウド型の勤怠管理システムには、1カ月間の無料トライアルがあったり、一部の機能を無料で利用できたりするサービスがあるので、勤怠管理システムについて詳しく知らないという場合には、一度活用してみると良いでしょう。

煩雑になりがちな勤怠管理ですが、オンライン上の勤怠管理システムを活用することでよりスムーズな管理が可能になる見込みもあります。この機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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