横断幕に取り付けるハトメとは?

横断幕に取り付けるハトメ

ハトメ(鳩目)は、革や布などに開けた穴を補強するために取り付けるリングで、大きめのものはアイレット(eyelet)ともいいます。ハトメには真鍮等の金属製のほか、手で簡単に留められるプラスチック製などもあります。
横断幕への使用は基本的に強度の高い真鍮製がおすすめです。ここでは、横断幕に取り付けるハトメの数や交換時期などのポイントを説明します。

横断幕に一般的に使われるハトメは、真鍮製(内径10mm・外径18mm)です。ハトメは、横断幕の寸法に合わせて約100cmの間隔で等間隔に付けることで安定して横断幕を取り付けることができます。 ハトメの数を減らし過ぎると、ハトメ1個あたりにかかる力が大きくなり、生地が傷みやすくなりますので気をつけましょう。

横断幕サイズ
(短辺×長辺)
ハトメ必要総数 短辺使用個数 長辺使用個数
45cm×150cm 4~6個 2個 2~3個
90cm×200cm 6個 2個 3個
150cm×300cm 10個 3個 4個
150cm×600cm 14個 3個 7個

※おおよそ必要なハトメの個数は、辺の合計を100cmで割ると計算することができます。

横断幕に使われるハトメの多くは、劣化しにくい真鍮を使っているためハトメ周りの生地の劣化が交換・補強の目安です。 たとえば、ハトメの周りの布地が破れたり、ハトメが緩んで回るようになったりすると、ハトメが抜けるなどです。 こういった場合に、古いハトメを抜いてレザーや布などで生地を補修したあと、新しいハトメを打つとよいでしょう。

もし、横断幕のハトメがプラスチックやアルミであった場合は、ハトメ自体の破損が交換の目安です。 破損したハトメは再利用ができないため、新しいハトメに交換するようにしましょう。

横断幕のハトメ加工は幕の大きさと使用頻度によって、自分で取り付けるか業者に依頼するかを決めると良いでしょう。

大きなサイズの横断幕や屋外に長時間さらされる横断幕を作る場合は、ハトメを真鍮やステンレスといった硬い材質を使う必要があるため、専門の業者への依頼を検討すべきです。 金属のハトメは、力のかけ方が中途半端だったり、工具がハトメに合っていなかったりすると、リングの内側が曲がったり、ハトメが浮いたりして横断幕を破損させやすくするためです。

また、屋外に横断幕を設置する場合も、強風で横断幕が壁に当たり、ハトメ穴の周りや生地全体が破損する可能性が高くなります。 その場合、レザー等で裏地をつける、生地の四辺をロープ縫込み加工等で補強する、風を通すメッシュターポリンを使うなどの対策が追加で可能であるため業者を利用するとよいでしょう。

小さいサイズの横断幕や記念品など数回しか設置しない横断幕の場合は、自分でハトメを取り付けてもよいでしょう。 ハトメの材料は100均で買う場合は合計500円程度、通販やホームセンター等で揃える場合は合計2,500円前後で揃います。 作業時間は、穴開けからハトメを打ち終えるまで、1穴につき5~10分程度です。

<準備するもの>
材料 金額
ハトメ 100~500円
穴開けポンチ(ハトメ抜き) 100~600円
ハトメパンチ、
または打ち皿+打ち棒+ハンマー
100~1,000円
ハトメ穴の補強材
(レザー、フェルト、接着芯等)
100~500円

ハトメパンチは、ハトメの材質やサイズ、取り付けられる生地の厚み(最大取付厚)がそれぞれ違うため、購入時に確認が必要です。 また握力の弱い人や、硬めの材質のハトメだと、金属を曲げることができず、ハトメを固定できないことがあります。 握力に不安がある人は、ハトメパンチではなく、打ち皿と打ち棒、ハンマーの方がおすすめです。

横断幕に使う場合のサイズは、穴の直径が約10mm、取り付けたときのリングの直径が約18~19mmになる「#25(25番)」が一般的です。 使用するハトメは、片面ハトメと両面ハトメという形状とハトメの材質による用途の違いで選びます。

<形状>
ハトメには、片面ハトメと両面ハトメの2種類があります。片面ハトメはプレスすると、筒の先が菊の花のように広がるハトメです。 両面ハトメは裏面の座金がセットになったハトメです。横断幕で使う場合は、表と裏から生地を挟み、見栄えが良く強度も高い両面ハトメがおすすめです。

<材質>
主なハトメの材質は以下の通りです。加工しやすさは、プラスチック、アルミニウム、真鍮、ステンレスの順になります。 しかし、横断幕は強度が必要なため、真鍮やステンレスのハトメを使うことをおすすめします。
ハトメの材質 耐食性 特徴 用途
真鍮 錆びにくい よく使われるハトメ素材 横断幕・懸垂幕・レザー製品
アルミニウム 錆びにくい 軟らかく加工しやすい 文具・紙
プラスチック 多彩 - 取り扱いが簡単。生地を傷つけにくい 紙・服飾品
ステンレス 錆びにくい 強度が高いが、加工に力が必要 テント・シート
錆びやすい 安価で強度が高い 服飾品・インテリア
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