神社のぼりの基礎知識とのぼりを立てるときの注意点

神社のぼりの基礎知識とのぼりを立てるときの注意点

神社の入り口や参道の付近に立てられたのぼり旗は、祈願や奉納などの意味があります。旗は神社のぼり(神社幟)と呼ばれ、さまざまなサイズがあります。また、書かれる言葉や色などは、旗の種類によって異なります。
神社にのぼり旗を立てたい場合は、のぼり旗の意味や種類などを理解し、神社に相談してから相応しいものを立てるようにしましょう。

神社ののぼり旗は、神社が行う日頃の仕事に感謝の気持ちを示す意味で、氏子(うじこ)や崇敬者(すうけいしゃ)の方々により立てられます。
氏子や崇敬者とは、それぞれ近隣地域に住む人と全国に存在する、神社を崇拝する人のことです。
氏子や崇敬者は、神社へ力添えをするために、定期的に献金や奉納金を神社に納めることもあります。
また「例大祭」と呼ばれる大きな祭りを盛大にお祝いするために、神社にのぼり旗を立てることもあります。神社をきらびやかに装飾すると、神様が喜ぶと考えられているためです。
例大祭は、日本の稲刈りの季節である4月や5月、または神社によって決められた時期に行われます。

神社ののぼり旗には、神社のイメージカラーとして決められた色が使われることが大半です。
なかでも赤色は神社の基本の色として認識されています。赤色は神社の格式を表す社格のなかで一番上の位である「正一位」のイメージカラーであり、最も荘厳な色であるとされているためです。
神社ののぼり旗の生地は、なるべく長くのぼり旗を使用するために丈夫な綿生地などが使われます。製作会社により生地の取り扱いは異なりますが、ざっくりとした質感で厚手の「舞布」、縦糸と横糸が斜めに織られ、上下左右から加えられる力に強くて丈夫な「葛城(カツラギ)」、厚手で張りがあり丈夫な「頒布」といった種類の生地が用いられることが多いです。
神社ののぼり旗のサイズには、特に決まりがありません。6尺(180cm)のものから、21尺(910cm)のものなど幅広いサイズがあります。神社の名前が長い場合など、のぼり旗に文字をたくさん印字する必要がある場合はのぼり旗のサイズを大きくして対応することがあります。

祈願のぼりとは、その神社の御神徳の種類を皆に知ってもらうために神社が立てる旗です。御神徳とは「縁結び」「安産祈願」「健康長寿」「交通安全」など、その神社の神様に願い求めることができるご利益を指します。祈願のぼりとして、「合格祈願」「商売繁盛」「家内安全」などを入れ、奉納することも可能です。
祈願のぼりには神社の名前や御神徳のほか、神様をキャラクターにしたものや、神社に伝わる神話などが載せられることもあります。

奉納のぼりとは、神社に参拝に来る人たちによる奉納金などに応える形で神社が作成する旗です。神社の氏子の方は「氏子会」、全国各所から神社を崇拝する崇敬者の方は「崇敬会」という組織から神社に奉納金などを納めます。
企業や個人事業主が奉納金などを納めた場合は、個人名や会社名を奉納のぼりに載せることもあります。
奉納のぼりは、神社が作成するか、参拝者などが自作して神社に持ち込まれたものが使われます。生地は、金巾や天竺などの綿の平織り生地を使うことが一般的です。ただし、神社によって立てることができるのぼり旗のデザインや色などがあらかじめ決まっていることもあります。のぼり旗を自作する前に神社と相談が必要になります。

神社で使われる祈願のぼりと奉納のぼりは、旗の大きさが違い、立て方も大きさに合わせて異なります。

祈願のぼりは街で見かける一般的なのぼり旗と同じサイズ(180×60cm)で作られることが多いです。祈願のぼりはタンク式のポールスタンドや柵などを支えにして、3m~4mののぼり旗用ポールを使って設置します。

奉納のぼりは神社によってさまざまなサイズがあります。3m前後ののぼり旗から、大旗(大幟)と呼ばれる5m~10mののぼり旗もあります。
奉納のぼりはサイズが大きいため、6m~15mのアルミニウム合金製ポールを使って設置します。アルミニウム合金製ポールを使うためには、専用の工事が必要です。地面にポールを埋めて固定する埋め込み式や地中に埋め込んだアンカーボルトでベースを固定して支えるベース式、石柱2本でポールを挟んで固定する貫通ボルト式などの方法で固定します。

神社にのぼりを立てたいときは、まずは該当の神社に問い合わせをしてみましょう。神社ごとにのぼりの取り扱いや立て方などが異なるためです。
例えば、参拝者が自作したのぼり旗を神社に持参できる場合でも、のぼり旗に使用する色や言葉などに神社の指定がある場合があります。また、祭りの際などに立てるのぼり旗の場合、神社によっては笹や御神木と一緒にのぼり旗を立てるといった習慣があるケースもあります。
神社にのぼり旗を立てるときは事前に神社に相談のうえ、指示を仰ぎながら立てるようにしましょう。

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