トロピカル生地とは

トロピカル生地

トロピカルの生地は、旗によく使われるテトロンポンジ生地よりもやや厚みがあり、耐久性を高くしたいときに選ばれることが多い生地です。
今回はトロピカル生地の特徴と用途、お手入れや保管の方法を説明します。

トロピカル生地とは細番手の糸を平織にした生地の総称です。
トロピカル(tropical)はもともと「熱帯の」を意味する単語ですが、マレーシアなど熱帯地域で利用されていたことからこの生地のことを「トロピカル」と呼ぶようになったと言われています。

服飾で使われるトロピカル生地は、ポリエステル100%のものやウールとポリエステルを混紡した生地です。細い糸で編まれているため生地の通気性がよく、なめらかで光沢がある質感が特徴です。夏用の衣類の生地としてよく使われています。

旗やタペストリーに使われるトロピカルの生地は、ポリエステル100%の糸を平織りにしたものです。ポリエステル100%のトロピカルはテトロントロピカルとも呼ばれます。テトロントロピカルの生地は文字や画像をきれいに印刷でき、耐久性が高いことが特徴です。

長期使用する旗や大型の旗、屋外使用の多い国旗など耐久性が必要なものによく使われる生地です。屋外での長期利用するのぼり旗のほかに、のれんや法被などにもテトロントロピカルが選ばれています。

テトロントロピカルは同じポリエステル100%の生地であるテトロンポンジと比べ、使われている糸の太さが2倍になっています。使われている糸が太いため、テトロンポンジと比べ耐久性が高いです。生地に厚みがある分、テトロントロピカルのほうが印刷面の裏抜けがしにくいです。

テトロンポンジ テトロントロピカル
厚み 0.14mm 0.20mm
重さ 60g/m2 100g/m2
耐久性
裏抜け
料金

洗濯をする場合は、生地を痛めないように、また、色落ちや色移りを防ぐために中性洗剤で一枚ずつ優しく手洗いしてください。漂白剤や蛍光剤配合の洗剤、洗浄力の高い弱アルカリ性洗剤や石けんは、変色の原因となることがあるため使わないようにしましょう。また、乾燥機を使うとインクの色が抜ける場合があるため使わないでください。洗った後はシワをよく伸ばして、プリント面を内側にして風通しのよい日陰に干しましょう。

アイロンをかける場合は、150度以下の低温で、当て布を使って、裏面からアイロンをあてるようにしましょう。アイロンの温度が高いと生地が溶けたり、印刷のインクが再気化して色が抜けたりする恐れがあるため注意が必要です。

保管時は印刷面を内側にして、シワ、生地の痛み、色移りを避けるために巻くかゆるくたたむようにしましょう。保管場所は、色褪せを防ぐために直射日光のあたらない場所にしましょう。また、色褪せを防ぐために、高温多湿の場所も避けましょう。ビニール袋に乾燥剤とともに製品を入れると良いでしょう。