横断幕と懸垂幕・垂れ幕の違いや用途を解説

横断幕を縦長にした懸垂幕(垂れ幕)

スポーツの応援や広告など、横断幕と懸垂幕は様々な場面で利用されます。横断幕と懸垂幕は同じ幕ですが、どのような違いがあるのかご存知でしょうか?使い分けの基準や定番のサイズや生地など今回は意外と知られていない横断幕・懸垂幕の違いと活用シーンについてご紹介いたします。横断幕や懸垂幕の用途を知り、場面に合った最適な幕をお選びいただくことで、活用の幅はぐっと広がるでしょう。

横断幕と懸垂幕は同じ幕ですが横方向に長い幕を「横断幕」、縦方向に長い幕を「懸垂幕(垂れ幕)」と呼ぶことで差別化を図っています。横断幕は「横幕」と呼ばれることもありますが、当社では屋台などの上部に吊り下げて看板として使う幕を横幕と呼んで区別しています。

横断幕と懸垂幕は、どちらも布に文字を入れて周りに広く宣伝する目的で使われるという用途に違いはありません。
また、横断幕と懸垂幕に使われる生地や素材、価格や耐用年数には違いが無いため、活用シーンや設置場所など、使用する場面に合わせて使い分けていただくことをおすすめします。
例えば、横断幕は屋外のスポーツの応援などで利用されることが多く、懸垂幕(垂れ幕)は建造物の壁面に利用されることが多い傾向にあります。

横断幕事例
用途:イベントでの活用
生地:ターポリン
サイズ:縦60cm×横200cm
懸垂幕事例
用途:店舗の宣伝
生地:メッシュターポリン
サイズ:縦360cm×横180cm

横断幕は、スポーツの応援幕・チーム旗、イベント会場の装飾幕などによく使われます。横断幕は懸垂幕のように高さのある建物を必要としないため、イベント会場のゲート案内やステージのバックスクリーンなど様々な用途に用いられます。

一方、懸垂幕は建物の壁面を利用した広告に用いられることが多いです。学校やデパート・ショッピングモール等の垂れ幕、建築途中の建物の養生幕・足場幕などが代表的です。また店舗のガラス張り部分に垂れ幕が張られ、店頭幕や日よけ幕として使われることもあります。

屋外スポーツでは、観客席に吊るしたり手で持って応援したりしやすく、試合中でも選手の視界に入りやすい横断幕がよく使われます。スポーツ応援幕には応援メッセージやスローガン、チーム名やチームロゴ、学校名、部活名などを入れることで、選手やチーム、応援団のモチベーションを高めやすくなります。

屋外用横断幕の生地素材としては、ポリエステル布素材の「トロマット」か、ビニール素材の「ターポリン」がおすすめです。トロマットは布素材の中でも丈夫な厚めの生地で、多少雨に濡れても乾きやすいという特徴があります。またトロマットは軽くて折りたたんでもシワがつきにくく、持ち運びや設置がしやすい生地です。ターポリンは雨風に強く、屋外設置にぴったりですが、生地が布素材などに比べて重いため頻繁な持ち運びには向かないというデメリットもあります。したがって、手持ちや一時的な掲出にあたってはトロマット、あまり持ち運ばないで長期間設置するものにはターポリンと使い分けて制作することをおすすめします。

大きな会場に設置してもよく目立つように、縦60m×横360cm、縦90cm×横500cm、縦120cm×横540cm、縦150cm×横600cmなどと横幅が300cm以上のサイズで横断幕を作ることをおすすめします。なお、各競技場には観戦ルールとして横断幕の掲出ルールが定められ、横断幕のサイズや生地素材、デザインや文言、事前の許可申請方法などが決まっていることがあるため、作成の前に確認しておくことが必要です。

屋外スポーツでの応援幕_事例
用途:イベントでの活用
生地:トロマット
サイズ:縦88cm×横143cm
屋外スポーツでの応援幕_野球事例
用途:スポーツ応援幕
生地:トロマット
サイズ:縦90cm×横500cm

屋内スポーツでは横断幕と懸垂幕のどちらも利用できますが、横断幕の方が多く利用されています。 横断幕であれば体育館に設置したり、試合中に手に持って応援したりと懸垂幕に比べ活用の幅が広いためです。 雨などの天候に左右されない屋内スポーツでの利用では「トロマット」がおすすめです。 薄手で軽い素材なため容易に折り畳みや持ち運びができますし、試合が終わったら簡単に取り外すことができるため屋内でも使いやすいトロマットが人気です。 大きさは体育館などでは他のチームの方に配慮する方が多いため、H60cm×W120cm、H80cm×W180cm、H120cm×W200cm、H150cm×W300cmなどと縦横比が1:3くらいまでのものをおすすめします。
一方、懸垂幕はスペースが限られている体育館などで利用されることが多いため、大きさはH240cm×W240cmなどと縦横比が1:1のものがおすすめです。
屋内スポーツでは用途や設置場所に合わせて幕の形を選ぶことをおすすめします。

屋内スポーツでは、軽くて丈夫な布素材「トロマット」の横断幕が人気です。トロマット横断幕は設置や取り外しがしやすいため、試合前後に観客席に吊り下げたり、試合中に手に持って応援したりするのに向いています。なお屋内スポーツの場合も会場によっては横断幕などを掲出する際のルールがある可能性があるため、幕を作成する前に確認しておきましょう。

屋内スポーツでの応援幕_バレーボール事例
用途:バレーボールクラブ大会出場のお祝い
生地:ターポリン
サイズ:縦90cm×横300cm
屋内スポーツでの応援幕_ハンドボール事例
用途:スポーツ応援幕
生地:トロマット
サイズ:縦170cm×横200cm

デパートや学校、市役所や警察署といった建造物の壁面を使った告知では懸垂幕がよく利用されます。 懸垂幕(垂れ幕)は縦に長いので、高い建物の屋上などから垂らしても地上を歩く人の注意を引くことができ、読むために立ち止まってもらうのにも向いています。懸垂幕(垂れ幕)は縦書きに適したメディアなので標語や長めのキャッチコピーも配置しやすく、横に何枚も並べることでにぎやかさを演出することもできます。

建造物からの懸垂幕(垂れ幕)の生地は、屋外設置に適した「ターポリン」もしくは風圧に強い生地素材の「メッシュターポリン」がおすすめです。メッシュターポリンとは細かい穴の空いたターポリンで、通気性がよいためターポリンよりも、風で破損しにくいという特徴があります。

懸垂幕のサイズは、学校の校舎に設置する際、3階建てであることを想定すると縦650cm×横120cmのものが丁度いい大きさです。10階建て程度のショッピングモールなどの外壁ではサイズが大きい方が宣伝効果も高いため、大きさは縦900cm×横90cmが一般的です。なお、垂れ幕や横断幕は自治体の屋外広告物条例の対象であるため、一定以上の大きさの建物の壁面に占める割合などが決められていることがあります。 屋外に設置する垂れ幕を作成するときは、このようなルールにも目を通しておきましょう。

建造物からの告知での利用_事例
用途:店舗の宣伝
生地:ターポリン
サイズ:縦270cm×横180cm
建造物からの告知での利用_事例
用途:建造物からの告知
生地:懸垂幕(ターポリン)
サイズ:縦700cm×横64cm

トロマット

トロマットは屋内で常設して使用できます。屋外では約3ヶ月ほどであれば設置できますが、注意が必要です。雨風に弱く屋外に常設できるだけの耐久性はないため、設置する場合は試合が終わったら取り外すなど、設置期間が短くなるようにしましょう。 →詳しくはこちら

テトロンポンジ

テトロンポンジは約1週間ほどの短期間の設置の際にお使いただけます。トロマットよりも軽く薄手の生地のため、屋外での耐久性は低いです。屋内であれば雨風に晒されることがないため、長期の設置が可能です。
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テトロンツイル

テトロンツイルは屋外であれば約3ヶ月以上常設して使用できます。布生地の中で最も耐久性の高い生地です。屋外に設置する社旗によく使われている生地なので風雨に強くほつれにくいのが特徴です。また、屋内であれば非常に長期間の常設が可能です。 →詳しくはこちら

ターポリン類

ターポリン類は約半年~長ければ2年ほど使用できます。横断幕や懸垂幕によく利用される生地で、屋内での常設はもちろん、雨風にも強いため屋外での常設にも耐えることができます。 なおターポリンには通常のターポリンのほか、光沢があり写真などがよく映えるグロスターポリン、高所や強風対策が必要な場所に適したメッシュターポリン、両面印刷が可能な遮光ターポリンもあります。 →詳しくはこちら

横断幕を長持ちさせるにはできるだけ長期間の常設を避けることや、片付ける際の保管方法に気をつける必要があります。
布素材のものは屋外設置の耐久性がビニール素材よりも低く、雨風に強いビニール素材も長期間常設すると傷や汚れがつきものです。使用しない期間は屋内に移動させることで環境による影響を受けないため、長期間使用できます。

布素材のトロマットの場合は畳んで保管することが可能ですがプリント面を外側にしたり、濡れたまま保管すると色落ちや色移りの原因となるので、プリント面は内側になるようにし、直射日光の当たらない風通しのいい場所で保管する必要があります。
ビニール素材のターポリン類は折りたたんでしまうとインク剥がれの原因となってしまうため、丸めて保管することをおすすめします。

このように横断幕と懸垂幕には幕を使用する用途に大きな特徴の違いがあり、活用の幅も様々です。設置場所によっては規制が設けられている所もあります。屋外設置であれば市の屋外広告物の手引きを確認しましょう。屋内設置であれば一般的に大会主催者の許可が必要になりますので必ず許可を取りましょう。ルールや用途に沿って何が最適であるか考え、より効果的な横断幕・懸垂幕を作りましょう。