好きなデザインを使ったタペストリーの作り方

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タペストリーは個人の好みに合わせたデザインで自作することができます。部屋のインテリアに合わせたり、アニメなどの趣味を生かしたデザインにしたり、タペストリーの制作の自由度が高いです。この記事では、自作できるタペストリーの種類と費用を踏まえて、簡単なタペストリーの作り方を紹介します。

タペストリーは大きく分けて、布製と紐製の2種類です。布製のタペストリーは、文字やイラストを入れやすくデザインの自由度が高いので、部屋の雰囲気に合わせたデザインが作りやすいです。紐製のタペストリーは、コットンなどのナチュラルな素材を活かし網目で模様を作るタペストリーで、布製のものと比べるとコストを抑えやすいです。
布製や紐製のオリジナルタペストリーは、用途に合わせて好きな素材やデザインを組み合わせて自由に作れます。インテリアとして自作する場合は、飾る場所の雰囲気に合わせてデザインを決めると良いでしょう。

北欧スタイルの部屋に合うタペストリー

北欧スタイルの部屋には、モダンな柄やナチュラルな植物のデザインを使ったタペストリーがおすすめです。
他に、マクラメ編みを活かした紐のタペストリーなども、北欧風の家に多い白い壁によく合います。マクラメ編みは、コットンの紐と木の棒を使い、平編みやななめ結び編みを組み合わせることで好きなデザインを作れます。また、紐の代わりにTシャツやデニム生地を紐状に切って使うTシャツヤーンやデニムヤーンと呼ばれるタペストリーも、北欧スタイルの部屋の雰囲気に合います。別の記事でマクラメ編みを使ったタペストリーの作り方を解説していますので、あわせて参考にしてみてください。

「紐を使ったタペストリーの作り方」はこちら

アジアンスタイルの部屋に合うタペストリー

アジアンスタイルの部屋には、古民家風の柄や和柄、東南アジアの民族衣装柄のタペストリーが合います。特にシルク生地はもともと中国発祥で世界に広まっていった経緯があるため、アジアンスタイルのデザインとして非常に使い勝手が良いです。和柄のタペストリーは、購入時の柄をそのまま使うのも良いですが、布に慣用句や四字熟語などを手書きすると掛け軸風になり、和室で飾りやすいデザインのタペストリーになります。

アジアンスタイルの部屋に合うタペストリー

アメリカンスタイルの部屋には、英語を活かしたカントリー風のデザインや高層ビル群などを描いて都会らしさを前面に出したアーバン風のデザインのタペストリーが合います。
カントリー風のデザインのタペストリーでは、飲食店の看板風のデザインやルート66など有名な道路標識を選ぶと良いでしょう。また、1960年代~90年代ごろまで使われていたバスロールサイン風のデザインも、アメリカンスタイルの部屋に合います。

生地には他のスタイルと同じように布を使いますが、生地の色を黒やベージュなどシックのものを選んでプリントするとカントリー風に仕上げやすいです。手軽に作りたい人は、あらかじめデザイン済みのマットやセメント生地を使うと雰囲気を出しやすくなります。100均でも手に入るためおすすめです。アーバン風のスタイルには、ニューヨーク・マンハッタンの高層ビル群などの写真をプリントしてデザインを作ると雰囲気を出しやすいです。
どちらも手書きで作るには複雑なデザインであるため、あらかじめデザインされた生地を買うか、家庭用インクジェットプリンターとアイロンプリントペーパーを使って、生地にデザインを転写して作成してみてください。

季節の雰囲気を作るタペストリー

タペストリーには、季節の雰囲気を彩るインテリアとしても使われるものもあります。
たとえば、クリスマスの赤と緑柄を活かしたタペストリーなどです。クリスマス向けのデザインのタペストリーはフェルト生地で作ったものが人気です。フェルト生地を使う場合は、裁縫道具を使ってクリスマスツリーやサンタクロースなどクリスマスに合ったデザインを作成していくと季節の雰囲気を彩るタペストリーになります。

アニメキャラクタータペストリー

趣味のものを飾っている部屋で、大事にしているものをタペストリーのデザインにすることも可能です。好きな場面やポーズの画像を探して、布や紙にプリントして飾ることで、タペストリーとして観賞用にすることができます。

注意点として、オリジナルキャラクターを除くと著作権が発生するものであるため、他人に譲渡したり、販売したりしてはいけません。あくまでご自身の観賞用として部屋に飾るようにしてください。

タペストリーを自作するときに必要な材料は、メインの布または紐、布や紐の上下を固定する棒やポール、壁や天井に吊るすための紐などです。家で簡単に作るために必要な材料は、100均や通販で購入できるキットで揃えられます。キルトのタペストリーキットなら、30cm×30cmサイズは3000円前後で購入でき、簡単な縫い付けなどを説明書に従うだけで作れます。

手書きの絵、アニメや漫画のキャラクターなどオリジナルのデザインをタペストリーに印刷する場合は、家庭用インクジェットプリンター、アイロンプリントペーパー、アイロンなどが必要です。

使用する生地の種類によって費用が変動します。必要なもの一覧と費用の目安を種類別にまとめているので参考にしてみてください。

必要なものと
費用目安一覧
北欧スタイルに合う
タペストリー
アジアンスタイルに合う
タペストリー
アメリカンスタイルに合うタペストリー
生地またはマクラメ編み用の紐
(手ぬぐい・タオル・シルク生地)
100円~5,000円 100円~3,000円 100円~3,000円
棒またはポール
(木・プラスチック)
100円~2,000円
紐(飾る用) 100円~500円
接着剤 300円~500円
アイロンプリントペーパー
(デザインを印刷する場合)
500円~1,000円
合計 布:
600円~6,000円
フェルト:
1,500円~8,000円
マクラメ編み:
600円~8,000円
布(印刷なし):
600円~6,000円
布(印刷あり):
1,100円~7,000円
布(印刷なし):
600円~6,000円
布(印刷あり):
1,100円~7,000円

※デザインを印刷して生地に転写する場合は、別途家庭用インクジェットプリンターとアイロンが必要になります。

家庭用のインクジェットプリンターを使ってデザインを印刷し、タペストリーを作る方法を紹介します。

用意するもの

・作りたいデザイン
・家庭用インクジェットプリンター
・アイロンプリントペーパー
・アイロン
・布(アイロンプリントペーパーのデザインを転写できるもの)
・布用の接着剤(今回は棒が磁石タイプなので使いません)
・棒
・紐
・ハサミ(布の形を変えたい場合に必要)

用意するもの
材料を用意する際の注意点は、転写する布の素材によってはキレイに転写できない可能性があることです。あらかじめ使おうとしている布生地がアイロンプリントペーパーを転写可能なものなのかどうか確認してから購入するようにしてください。

上部を棒に巻き付ける部分が必要なので、布の長さは少し余裕を持たせると良いです。
デザインを見せたい布の長さ+棒の高さの2倍ぐらいの長さに生地を切れば十分です。
また、今回のように磁石タイプの棒を使う場合は、上下に棒の幅分の長さが余分にあれば大丈夫です。

作成したデザインを、インクジェットプリンターでアイロンプリントペーパーに左右反転で印刷します。(Office Wordなど身近なソフトでも作れます。)
左右反転で印刷すると、布に転写したあとに正しい向きになります。

タペストリーのデザイン作成
印刷したデザイン

デザインを印刷したアイロンプリントペーパーを、アイロンがけして布に転写します。
あらかじめアイロンプリントペーパーの余白を切っておくと転写しやすいです。余白を切る場合は、あらかじめデザインの周りに少し余裕を作ってから切りましょう。

デザイン転写前
アイロンによる転写

転写後、5分ほど冷めるのを待ってからシートをゆっくりはがします。(時間が経つと字の色が少し濃くなりました)

転写直後

布を裏返して、上部に棒を巻き付けるように輪を作り、接着剤で止めます(今回は磁石タイプの棒を使用しているためはさむだけです)
下部にも同様に棒を取り付けます。

1本の紐の両端を、それぞれ棒の両端に結ぶことで飾るための輪が作れます。棒の中が空洞のポールを使っている場合は、紐を通して結び目を作るだけで良いです。その際、棒の中に結び目を隠すと飾った時にスッキリとした見た目になります。

壁に穴が開いても良いなら画鋲などを打って紐をかければ飾ることができます。できるだけ壁に穴が開くのを防ぎたい場合は、両面テープのついたフックや突っ張り棒とS字フックを利用する方法を使うと良いでしょう。

完成したタペストリー