のぼり旗の生地ごとのシワ伸ばし方法とは?アイロンがけの注意点も解説

のぼり旗のしわ伸ばし方法

のぼり旗は生地を劣化させないようにその素材に適した方法で行うことが大切です。また、使用後はシワになりにくいお手入れや保管をすると次に使う時の手間が省けます。この記事では、生地の素材ごとのシワ伸ばし方法とシワがつきにくい保管方法を紹介します。

シワ伸ばしの方法は、生地の素材によって異なります。ターポリンなどのビニール素材が水をはじくなど、素材の特性によって使えない方法があるためです。

シワ伸ばし方法を選ぶ時には、ご注文をした際の生地の素材を確認しましょう。利用できる方法がいくつかある場合は、陰干しや風呂干しなどダメージが少ない方法を選ぶとよいでしょう。

素材ごとに使えるシワ伸ばし方法

素材 生地例 陰干し 風呂干し しわ取り
スプレー
アイロン
ポリエステル テトロンポンジ
塩化ビニール ターポリン × ×

陰干しは横断幕などに使われる塩化ビニール素材に対応可能なシワ伸ばし方法です。陰干しは天日干しのように、熱により生地の繊維のダメージや色落ちが少ないです。
陰干しする際は、シワを手で伸ばし、印刷面を内側にして物干し竿に掛けます。しばらく放置しておくと、生地自体の重さで素材の繊維が伸び、シワが自然に薄くなります。しっかりとした折りシワにはあまり効果がないものの、生地を痛めにくく手間のかからないシワ伸ばし方法です。

風呂干しはのぼり旗や洗濯しにくい塩化ビニールに使いやすいシワ伸ばし方法です。

のぼり旗に使われる生地は、30分程度浴室に吊るし蒸気をある程度含んだ状態にしてから、陰干しすると繊維が水分を含みシワが伸びます。生地が蒸気を含んだら軽くひっぱって伸ばしてもよいでしょう。

衣類用のシワ取りスプレーでものぼり旗などのシワを伸ばせます。スプレーに含まれるシリコーンなどの成分が生地の繊維に浸透することによりシワが取れます。繊維潤滑剤などが含まれているとシワを伸ばした状態がより長持ちしやすいです。

シワ取りスプレーはポリエステルなどの合成繊維、綿、麻、ウールなど、主に水洗いができる素材に使用できます。のぼり旗によく使用されているポリエステル100%の生地にもシワ取りスプレーは使用可能です。
注意点としては、スプレーの成分とインクが反応し、シミになることがあります。使用する際は、目立たない場所で事前に試しましょう。

のぼり旗へのアイロンかけは、熱をかけることで生地にダメージを与えないよう中温(150度以下)で使用し、あて布が必要です。印刷に使われることが多いダイレクト昇華印刷の昇華インクは180~220℃の熱で気化します。そのため、同じくらいの熱が加わるとインクが再気化してしまう恐れがあります。

またのぼり旗に使われることが多いポリエステル100%の生地は、熱に弱く変色などの劣化が起こりやすいので注意が必要です。

特に高温の蒸気は色落ちや色ムラの原因となります。アイロンのスチーム機能や霧吹きは使用しないようにしましょう。また一箇所に長時間アイロンの熱を加えると生地がたるんだりテカリが出たりする原因になることがあるので、アイロンは短時間で動かしましょう。

アイロン後は布が冷えて形が定着するまで触らないようにすると形を保ちやすくなります。このアイロンがけの方法はテトロンポンジのほか、トロピカル、テトロンツイル、トロマットで作られた旗や幕などにも利用できます。

のぼり旗の汚れは、やわらかい濡れ布で優しく拭いて落としましょう。拭いても落ちない場合、水洗いができるポリエステルや綿などの素材であれば、ぬるま湯でやさしく手洗いを行えます。洗濯機を使用するとシワになりやすいので避けてください。洗剤は中性洗剤を使い、 蛍光剤・漂白剤の入った洗剤や洗浄力の強いアルカリ性洗剤は、変色や色落ちの恐れがあるため使わないようにしてください。

手洗い後の脱水はシワにならないように強く絞らず優しく行いましょう。脱水後はよく伸ばしてプリント面を内側にして、陰干しします。また熱でインクが気化する恐れがあるので、乾燥機の使用も控えた方がいいでしょう。

塩化ビニールは、強い摩擦で色落ちする可能性が高いため優しく拭くだけにしましょう。

ポリエステル生地や塩化ビニール生地ののぼりは、筒状に丸めて保管するとよいでしょう。塩化ビニール生地は一度シワになると取りにくいため、この方法がおすすめです。

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