タペストリーによく使われる生地の素材とは?

タペストリーに使われる生地は多種多様で、耐久性や扱い易さなどの特徴が異なるため、タペストリーの用途ごとに向いている素材の生地で作ることが望ましいです。
この記事ではタペストリーによく使われる生地の素材とその特徴、用途ごと向いている生地を紹介します。
タペストリーによく使われる生地とその特徴
タペストリーの生地は、設置場所や印刷後の仕上がりの違いから使い分けます。
屋内での使用は、ポリエステル素材のテトロンポンジやトロマットが、安価かつ軽くて設置しやすいため使いやすいです。屋外の設置には、樹脂の素材や樹脂によるコーティングがされているターポリンやユポが、雨風に強いため向いています。
また印刷の仕上がりにこだわりたい場合は、生地の厚みや表面の加工を基準に生地を選ぶとよいでしょう。写真や画像などをきれいに印刷したい場合は、生地に厚みのあるトロマットや紙のような特性でインクがのりやすいユポが向いています。きれいに印刷しかつ光沢があり高級感を出した見た目や生地の肌触りにこだわりたい場合は、スエードやサテンもおすすめです。
生地 | 素材の原料や構造 | 主な特徴 |
テトロン ポンジ |
ポリエステル100% 生地・平織り |
発色が良く印刷でき、生地の厚みが薄い分価格を抑えられる生地。 タペストリーに使う場合透け感が強く出るため、背景の壁の色により印象が少し変わることがあるため注意。 |
トロマット | ポリエステル100% 生地・平織り |
テトロンポンジの2倍ほど厚みがあるため、同じポリエステル素材でもテトロンポンジより鮮明に印刷ができる。その分価格はテトロンポンジより少し高め。 |
ターポリン | ポリエステル・ナイロンなどの布の両面に塩化ビニル樹脂がコーティングされたビニール生地 | 生地を樹脂でコーティングしているため、防水性や耐久性が高い。そのため、屋外の長期間設置に向いている。 折りたたむとインク剥がれの可能性があるため注意。 |
ユポ | 合成樹脂(プラスチックなど)が主原料の合成紙生地 | 合成樹脂素材の特徴から、耐久性が高い。その上、紙に似た素材でもあるため、写真やイラストを鮮明に印刷できる。 プラスチック系の素材の中ではやや価格が高め。 |
スエード | 主に子羊や子牛の皮の裏面を起毛させた生地、またはそれを模した合成皮革の生地。 | 光沢や滑らかさがあり高級感のある見た目が特徴。透け感もなく発色も良い。 汚れや濡れるとシミになりやすいため、屋内での使用が向いている。 |
サテン | ポリエステル・ナイロンなどの合成繊維、綿や絹などの天然繊維など、幅広い素材で制作可能な生地 朱子織り |
スエードよりも高い光沢感を持っており高級感のある生地。 光沢感が目立つ特性から、光を反射してしまう可能性がある。光の当たる場所で飾る場合に反射しすぎていないか確認が必要。 |
金巾 | 綿100%の生地・平織り | 自然素材で和の雰囲気が出せる薄手の生地で、同じく薄手のテトロンポンジより耐久性が高い。 同じ雰囲気を出せる天竺よりも使用する糸が細いため、きめ細かくやわらかい肌触りに仕上がる。 |
天竺 | 綿、麻などの生地・平織り | 自然素材で和の雰囲気を出せる生地。 同じような雰囲気を出せる金巾よりも、少し太い糸を使用しているため耐久性がある。 |
タペストリーの用途ごとに向いている生地
屋内設置のタペストリーにはトロマット
デザインの見やすさが重要な屋内での宣伝用のタペストリーには、トロマットがおすすめです。
トロマットは、生地に厚みがあり裏抜けも少なく発色がよいため、文字や写真を見やすく印刷できます。屋内広告に良く使われる1200mm×600mmのタペストリーの場合、1枚2,750円で作成可能です。
またトロマットは保管のために畳んでもシワになりにくいため、セールや就職説明会などで持ち運びしやすく、定期的に使う用途にも向いています。
屋外設置のタペストリーにはターポリン
屋外でのメニュー表示や宣伝用のタペストリーには、耐久性の高いターポリンがおすすめです。ターポリンは、布の両面に樹脂がコーティングされているため色あせしづらく、防水性や耐久性に優れています。雨風の中でも使えるため、飲食店の外装・ショッピングモール・屋外イベント会場など、屋外での長期的な設置に向いています。
プレゼントや販促グッズなどのタペストリーにはスエード
友人へのプレゼントや販促グッズのタペストリーの生地は、高級感を演出できるスエードがおすすめです。スエード生地のタペストリーは印刷後の透け感がなく発色も良いことから、アニメキャラクターのオフィシャルグッズなどの販促グッズとして使われています。アニメグッズに使われるA1タペストリーは1枚6470円で作成できます。また、見た目と肌触りの良さから、友人や家族への思い出の品としてのプレゼントにもおすすめです。
タペストリーの生地素材を選ぶ上での注意点
人が集まるところでのタペストリー使用には防災加工が必須
タペストリーは、不特定多数の人が集まる場所や災害からの避難時に時間を要する店舗などで利用する場合に、防炎加工を義務付けられています。たとえば、高さ31メートルを超える高層建築物や地下街などは、火災発生時に煙が素早く拡散して避難や消火が難しいため、被害が大きくなる可能性を考慮して防炎加工が必須になっています。
自身の使用する場所で防炎加工が必要か不安な場合は、防炎加工の詳細については「のぼり旗の防炎加工について」をご確認ください。
さらに詳しく知りたい場合は、消防庁の資料や日本防炎協会のサイトで確認するようにしましょう。
のぼりキングの場合、テトロンポンジとトロマットは1枚あたりプラス330円(税込)で防炎加工でき、ターポリンはあらかじめ防炎加工済みです。ユポ素材は防炎加工ができないので、不特定多数の人が集まる場所や災害からの避難時に時間を要する場所などでの使用は控えましょう。
シワや汚れは素材に適した方法で対応
タペストリーは、長期間使っているとシワや汚れが気になる場合があります。素材によってはアイロンがけや洗濯ができる場合もあるため、各素材に適した方法で対応しましょう。
タペストリーの洗濯・アイロン・保管方法などについては、「タペストリーについたシワや折り目を取る方法」の記事をご覧ください。