のぼりとはどんなもの?

のぼりとはどんなもの?

のぼりとは、縦長の旗にチチと呼ばれる輪っか状の布をつけ、チチにポールを通して、目印として使用するものです。一般的なのぼりのサイズは600×1800mmです。のぼりは、店舗周辺に設置して商品の宣伝をしたり、イベント会場に設置してイベントの開催をアピールしたりするなど広告宣伝用途で使われています。

のぼりとは

のぼりは、漢字では「幟」と書き、「丈が長く幅の狭い布の横に、多くの乳(ち)をつけ竿に通し、立てて標識とするもの」と定義されています。のぼりは、集客や周知のための広告ツールやスポーツ応援のグッズ、神社への奉納品として使われています。
のぼりの始まりは諸説ありますが、自軍の鼓舞と統率のための目印として使われていた流れ旗が起源だという説が有力です。風に揺れやすかった流れ旗が、敵味方の識別をしやすくするために布が固定され、遠くからでも旗に何が書かれているか見やすい形に変化したものが現在ののぼりの起源になったと言われています。

部隊や個人の識別として使われていた流れ旗や印が、現在ののぼり旗の形に発達したのは戦国時代末期だといわれています。天下統一に向けて部隊がまとまり、混成になったため、敵味方の区別だけでなく主君に対するアピールや味方とのコミュニケーションが重要になったためです。実際に特定の役職ごと揃えたのぼり旗や武将固有ののぼり旗などは、旗指物とよばれ戦場で使われていました。

旗の役割が重要さを増し、風の影響や移動の際の絡まりを防ぐために、上部と左側が棒で固定されて、それが幟旗(のぼりばた)と呼ばれるようになったとされています。

のぼりと旗の違い

のぼりと旗の違いは、固定されている辺の数と用途です。のぼりは布の上辺と横辺を固定しているのに対し、旗は布の横辺のみが固定されています。また、用途の違いとして、のぼりは店舗やイベント開催時の広告宣伝用、旗は国旗やスポーツ応援の団旗、観光ガイドの手旗など象徴・目印として使われることが多いです。

海外との旗の使い方の違い

海外でのぼり旗は、一部のアジア圏を除き普及していません。店舗の広告宣伝には、建物に付いている電光掲示板やカフェなどでよく使われているポップアップなどの看板がのぼりに近い用途で使われています。

海外での旗の用途は、戦場での目印、自軍の権力の誇示などの目的などが一般的です。たとえば古代ローマでも軍団と奇襲隊の目印などで使われていました。また船舶では、公的機関の船の場合は国旗、海軍船には海軍旗などをかかげ、車のナンバープレートのように使われていました。

このような経緯から海外で旗は、国旗や軍旗として使われることが多いです。国旗や軍旗は、それぞれの国の歴史や文化建国の背景を、色やデザインとして取り入れています。
どの国でも尊厳を表す象徴として丁重に扱われています。

広告宣伝に使われるのぼりの種類

のぼりは、使う場所や用途によってサイズや生地を使い分けるとより効果的にアピールできます。

店舗のアピールや注意喚起で使うのぼり

店頭での商品や店舗名のアピールには、一般的に600×1800mmの標準サイズののぼりが使われます。お土産屋さんでのご当地グルメの宣伝や一見普通の家屋に見える隠れ家的なカフェの目印などです。
また、店舗のアピール以外では交通安全や防犯の注意喚起に蛍光生地を使った標準サイズののぼりが効果的です。道路沿いでの交通安全などの防犯意識啓蒙のために蛍光のぼりが活用されます。

商品棚や飲食店テーブルのポップで使うミニのぼり

スーパーの陳列棚や書店での本のアピール、また飲食店での新商品の告知には、ミニのぼりが使われます。ミニのぼりは、狭く小さいスペースでも商品をアピールしたい人に向きののぼりです。他にもゲームやスポーツのオリジナルグッズとしても使われます。

イベント会場などのアピールで使われるサイズの大きいのぼり

商店街、祭り、イベント会場のブースなど、多くの店舗が並んでいるときに他の店舗と差別化するためのアピールには、サイズが大きく目立ちやすいビッグのぼりやジャンボのぼりが使われます。また、周りと違った見た目ののぼりで店舗や商品のアピールしたい場合は、形が違うため目立ちやすいセイルのぼりもおすすめです。

祭礼・儀式で使われるのぼり

神社で使われるのぼり旗

神社で使われるのぼり旗は、神社へ感謝の気持ちを示す意味で崇敬者(すうけいしゃ)の方々により立てられる奉納のぼりや御神徳の種類を皆に知ってもらうために神社が立てる祈願のぼりなどです。
また「例大祭」と呼ばれる大きな祭りを盛大にお祝いするために、神社にのぼり旗を立てることもあります。こののぼり旗は神社をきらびやかに装飾すると、神様が喜ぶと考えられているためです。

神社にあるのぼり旗に使う色や素材のルールなど、詳細を知りたい方は「神社のぼりの基礎知識とのぼりを立てるときの注意点」をご確認ください。

相撲で使われるのぼり

相撲のぼりは興行のぼりとも呼ばれ、サイズは幅70cm×高さ540cmです。通常ののぼり旗の3倍近い大きさになります。日本相撲協会様が主催する巡業で立てられる相撲のぼり旗の作成には、日本相撲協会様の許可が必要です。専門染業者様がいるので、作成を検討する際は事前に問い合わせるとよいでしょう。

のぼりの用途別のデザインの違い

のぼりは、のぼりを見た人が商品やイベントに興味を持つきっかけになるものです。より効果的にアピールできるのぼりを作るために行われている、デザインの違いを用途別に紹介します。デザインの色づかいや写真の配置などの詳細については、実例を交えてまとめてある「おしゃれなのぼり旗とは?」を参考にしてください。

商品や店舗の宣伝用のぼり

店舗で使うのぼりは、取り扱っている商品や店舗用途に合った色づかいやフォントが使われます。例えば、大きな幹線道路沿いや建物の上階に設置する場合は、遠くからでも見えやすくするよう、文字が大きくシンプルなデザインが多いです。他にも、おすすめのメニューがある場合は、メニューの写真や絵を取り入れて一目でどんな商品を扱っている店舗なのかわかるようにデザインしたのぼりが使われます。

イベント宣伝用のぼり

イベント時に使うのぼりは、どんなイベントを行っているか一目でわかってもらえるデザインののぼり旗がよく使われます。季節ごとのイベントであれば、季節のイメージカラーを使ったものなど、イメージが伝わりやすくなるのぼり旗がおすすめです。

注意喚起用のぼり

道路沿いや交差点で使われるのぼりは、防犯や交通安全などの注意喚起に使われるため、夜間でも見えやすい黄色などの明るい色が多いです。夜間はのぼりのデザインや文字を見づらいため、鮮やかな発色の蛍光のぼりを使用することによって、旗自体を目立たせ、注意喚起としての機能を上げる工夫がされているのぼりがよく使われます。
※蛍光のぼりは夜間発光はしません。

まとめ

現在、のぼりは主に広告の用途で使われています。集客と周知のために使われ、目印として注目を集めるという役割は変えずに、用途は戦場での使用から商売、イベント告知など様々なジャンルに広がっています。のぼりを使って効果的にアピールするため、用途に合ったのぼりの種類とデザインを選ぶようにしましょう。